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2007年3月15日【日々のこと】

 ■ パン屋さん

 久太郎君はパン屋さんが好きだ。でもパン屋さんで私が「こらー!」と言わない時はない。
 ある日のパン屋さん。レジで片手に弟のベビーカー、片手にパンのトレーと財布。久太郎君は私の後ろについてきているはず。(どっか行ってないよな?)気になって後ろを振り返った。久太郎君は両手に試食のパンをいくつも握って口に入れようとしているところだった。
「こらー!!」
 久太郎君はびっくりして手からパンを床に落とした。そして急いでパンを拾ってあろうことか試食の器に戻した! 慌てて駆け寄ったけどどれが落としたのものかわからない。どうしようもなくてそのままにして置くしかなかった。すいません。
 またある日のパン屋さん。久太郎君はまた試食のパンを食べていた。(まあ子どもやしな。)私は横目でみながらお豆パンをトレーに入れた。すると別の種類のお豆パンを持った店員さんが「こちらは新商品なんです。どうぞ」と試食を差し出してくれた。私は「ありがとうございます」ともらって久太郎君に
「これ、くれはったよ。どうぞ」とあげた。久太郎君はなんと、食べていたパンをべーとはき出して新しいパンをぱくっと食べた。 「こらー!!」
 またまたある日のパン屋さん。
「久太郎君、パンの試食は、買おうかな、どうしようかなって迷ったときにちょっと食べるもんやで。久太郎君のご飯ちがうで。欲しかったらこうてかえろな」
「ウン」
 久太郎君はパン屋さんの前でそう返事してから、いつものように試食のパンを食べていた。
「こらー!!」

2007年3月15日 11:43