2007年12月 4日
 ■ しんどい

きゅうたろう君が吐いている。
弟は下痢だ。

二人の保育園は別々だが、どちらでも嘔吐下痢症が大流行している。

二人とも機嫌が悪い。

金、土、日と二人の体調不良の子どもを一人で相手をした。
夫は予定を変更することなく仕事に出かけた。

きつい。

子どもではなく、私がだ。

ひっきりなしに二人が泣き、甘えてくる。
食欲がないからのどを通るもので栄養のあるものを作ってあげたいのに、私は台所に立つヒマもない。

頻繁にオムツを替え、そのたびに念入りに手洗いをしなければいけないのでそれだけでも時間が結構かかる。

二階に着替えを取りに行くだけなのに子どもたちはひとりにされるのがイヤで一緒に行きたがるし、両腕に子どもを抱えて階段を登り降りする。二人合わせて20キロを超えるのに!

調子が悪いとなかなか寝てくれず、弟は寝ている間中おっぱいを口から離さない。離した途端すごい泣き声をあげて起きてくる。

遊びに外に出してやりたくてもそう長くは出してやれない。

そこへ来て(いつもだが)夫はいない。

まともなものを食べずに、よく眠れず、泣き声に追い回されて、3日続いた。私がしんどいなあ~と思うの、ふつうだよね?

07/12/04

2007年8月 7日

暑い。

きゅうたろう君はみずあそびがお気に入りだ。

おうちのちゃぷちゃぷプールは小さいが、弟と二人で十分楽しめる。

午後5時。

保育園から帰ってきたきゅうたろう君は自転車から飛び降りると
「プールシル」
と言う。

はいはい。もうママは、もう5時やのにとか、もうご飯やのにとか、パンツ自分で取ってきてとか言わないよー。

弟の分と合わせて2枚パンツ持ってきてあげる。

「服脱いどいて」
とパンツとバスタオルを用意しているとたいてい近所の子どもがプールの前にうらやましそうに集まっている。

子どもはプールが大好き。でも午後5時に自分ちでプールさせるおうちはあんまりないだろう。

「一緒にやるー?」
というと「いいの?!」と水着に着替えに走ってかえって行く。

今日はそう君4歳とかりんちゃん6歳が一緒だ。

「カチテカチテ」

ホースを私から奪ったきゅうたろう君がかりんちゃんの顔に水をかけた。
本日2回目だ。

「もうあかん。お顔にかけたらあかんって言ってるのに。今日はホースはおしまい!」

怒られてきゅうたろう君はすねた顔をしている。
私に抱きついてきて、「オコラレタ」と小さい声で言った。

きゅうたろう君はこういう反応が素直でかわいい。

「モウアガル」
「いいけど、ママはまだようちゃんとプールしてるよ」
「ウン」

ひとりでパンツを脱いで玄関でバスタオルを手にとっても誰もかまってくれない。そのうち

「キュウチャンモスル!」
といってまたプールに入ってくるのだ。

小さいプール。
おもちゃもせいぜい5,6個。
子ども4人。
すぐにプールに飽きたらず飛び出してしまう。

今日もみんなでプールの水を前の私道にまき始めた。
子どもたちはすごい興奮している。

コップやじょうろやペットボトルに水を入れてプールと私道を往復している。

私もそう君とかりんちゃんのママとおしゃべりに熱中していた。

きゅうたろう君は?

やられた!
さっき脱いだままだ!

はだかん坊で!アンパンマンのおけを片手に一緒に走っていた。

07/08/07

2007年8月 4日

きゅうたろう君は2歳9ヶ月。
大人からすると思っても見ないことをする。
子どもらしくて笑って?しまう。

今日の笑って?しまったこと。


夫が珍しくブラームスのCDをもってプレーヤーに近づいた。
「久しぶりだなあ。僕は一番がやっぱり好きなんだよ。」
私も好きだ。私たちは音楽のサークルで知り合ったのだ。
自分の好きな音楽を聴くのなんて久々だ。

夫がディスクを入れようと腰をかがめるときゅうたろう君がささっと寄ってきた。

あら。興味あるのかしら。


「アンパンマンキクノ?」
ときゅうたろう君は嬉しそうに言った・・・。

苦笑。
そうだよね。きゅうたろう君の好きな音楽って、アンパンマンだよね。いくらお兄ちゃんになってきたからってブラームスはまだよく分からないよね。

きゅうたろう君とスーパーに行った。
帰りに中に入っている花屋さんでよく少しばかりのお花を買うのだけど、今日はきゅうたろう君にお花を選ばせてあげようと思いったった。きゅうたろう君も弟もお花が好きだ。

「きゅうちゃん、好きなお花選んでいいよ。おうちの玄関に飾ろうよ。いっぱいあるねえ。」

私はきゅうたろう君は小花や、色のはっきりしたひまわりのようなかわいらしいものを選ぶと思っていた。

「ウーン・・・。コエ!」

きゅうたろう君が数ある花の中から選んだのは、隅っこに置いてあった暗いあかむらさき色の菊の花だった・・・。

仏花じゃんか・・・。

苦笑。
気分の明るくなるような花が良かった…。
何度も聞いたけど「コエ」というし、しょうがない。
買って帰った…。

今日の夕飯は海苔巻き!
暑くて夕飯を作る気が起こらないから近くのお寿司屋さんに頼んだ。

きゅうたろう君も海苔巻きが大好きだ。
輪切りにして真っ先にきゅうたろう君の前に置き、私は弟と家族の分をせっせと切っていた。

「モット」
え!?もう食べちゃったの!?

振り返ると、のりとご飯を残して真ん中の具だけがきれいになくなっていた…。

ドーナツ!!
そんなの海苔巻きのおいしさが台無しじゃない!

きゅうたろう君はそうなった海苔巻きをがんとして食べないので、どこのどんな海苔巻きでもおいしいという無類の海苔巻き好きのおばあちゃんにそれをたべてもらった…。

今日のお風呂上がりの果物はぶどうだ!
きゅうたろう君は果物がとにかく好きだ。
赤ちゃんの時から食が細くて悩まされたけど、そのときから果物は好きだった。

きゅうたろう君はデラウエアなら一房を一人で食べてしまう。今日も快調だ。

「ウフフフ。」
なんだか変な笑い声がする。
弟に食べさせてあげる手を止めてきゅうたろう君を見ると、
なんと!!
皮入れの皿に顔を鼻までつっこんで口いっぱいにぶどうの皮をほおばっていた!

オエー!!
そんなもの食べないでー!

07/08/04

2007年6月13日
 ■ くさいもの

きゅうたろう君の靴はくさい。

保育園では素足に靴を履くのでくさくなるのだろう。
私は6月に入って連日きゅうたろう君の靴を洗っている。

きゅうたろう君はなんと3足のスニーカーと2足のサンダルを持っているが、お気に入りは赤いスニーカーだ。
だから赤いスニーカーは常にくさい。

それでもきゅうたろう君はお構いなしだ。
「キョウハー、エーット、アカイクツ!」
と毎日毎日赤い靴を選択して出かけようとする。
なかなか洗わせてくれないのでこっちも知恵を絞る。

「きゅうちゃんの今日の帽子は黄色と緑だから、靴も黄色のを履いたらかっこいいよ。」
とか、「保育園の鞄はオレンジ色だからアンパンマンの靴のオレンジ色と一緒だね!」

きゅうたろう君は(そんなもんかな)って顔をしているけど、別の靴を履いて出ていってくれる。

きゅうたろう君のうんこもくさい。
当たり前だ。
おしっこ、うんこがだいぶ言えるようになってきたものの、うんこはまだオムツの中で頑張らないとどうも気分がそがれるようだ。たまにパンツをはいているにもかかわらずその中でしてしまう。

「クチャイクチャイ。」
自分で鼻をつまんで言うのはいいが、
「イッパイデタ?」「トウモロコシデテル?」「ミーセーテ!」
うんこに愛着があるのがありありだ。

私はきゅうたろう君の靴もうんこもくさいけど別に汚くない。
暑い中、玄関に座ってきゅうたろう君の靴やトイレ用踏み台を洗っているとき、トイレできゅうたろう君と弟と3人で「うんこばいばーい」と流すとき、何とも言えない幸せな気分になる。くさいものを扱って幸せだなんて思っている自分に笑ってしまう。

きゅうたろう君がうちにくるまで
「子どもは汚くてうるさくて金食い虫だからキライだ」と豪語してきた。
汚くてうるさくて金食い虫なのは当たっているが、そんなことを超越した存在なんだなあ。

くさいものを扱うとき。
自分の感じ方や生活を変えてしまった小さい人の存在を大きいと感じる瞬間だ。

きっときゅうたろう君が生きている証だからだ。

07/06/13

2007年6月11日
 ■ ユウコ

きゅうたろう君は私を「ママ」と呼ぶ。
しかし、少なくない頻度で「ユウコ」とも呼ぶ。

先日出かけた琵琶湖博物館で、あちこちの水槽にいろいろな魚が泳いでいるのを見て狂喜乱舞したきゅうたろう君は
「ユウコ!オイデ!」
と大声で私を呼んだ。

ちょっと恥ずかしい。

恥ずかしいついでに書いておくと、鯉が泳いでいる池の前で「鯉のぼり」の歌を大声で歌われた。6月の半ばなのにきゅうたろう君の中では「鯉のぼり」は未だにヒットしている。日曜日。結構な数の客の前でフルコーラスを歌って満足なのはきゅうたろう君だけだ。

同じ日、玄関で三輪車に乗って夢中で遊んでいて、トイレに行く途中でおしっこをオムツの中にしてしまったきゅうたろう君は
「ユウコー!オシッコデチャッタヨー!ヌガセテヨー。」
と悲壮な声を上げた。

なんで「ユウコ」やねん。


そうかと思うとマイク片手に「アナタノオナマエハ?」
とお返事ごっこの時には
「オオハラママ!」
と呼んでいたりする。
そこは「オオハラユウコ」だろ。
意味がわからない。


小さい頃から「ユウコ」は周りにたくさんある名前で「ユウコ」とそのままの名前で呼んでもらったことなどほとんどない。夫もそうは呼ばない。
しかし自分の子どもに呼ばれるとは思っていなかったなあ。何でだか気恥ずかしい。

07/06/11

2007年6月 8日
 ■ ヤカマシイ

きゅうたろう君はときどきひどいことを言う。

きゅうたろう君はよく歌を歌っているので、それに合わせて一緒に歌うと
「ウタワントイテ」
と言われることがある。


お風呂でつかるのが嫌いなきゅうたろう君に、上がり際に数回洗面器でお湯をかけてあげるのだが
「ナンカイモカケンデイイ」
と毎回言われる。

でもたまにかわいいことも言う。
弟に音の出る絵本に合わせて歌を歌っていると
「ユウコジョウズ」
といってくれた。

嬉しくて何回も歌っていると積み木に夢中になっているきゅうたろう君は背中を向けたまま
「ヤカマシイ」
と言った。

どこで覚えてくるんだろう。


おばあちゃんはきゅうたろう君のそういう言動に明らかに傷ついている。

「ウンコデタ。ママー。」
おばあちゃんがオムツを替えようとすると
「ヤメテ!オバアチャン、アカンノ!」

「ママ!タベサシテ!」
おばあちゃんがあーんとすると
「ママイイノ!」

おばあちゃんが
「おばあちゃんがやってもいいか?」と聞いても常に
「アカン」
だ。

傷つかなくてもいいとは思うけどおばあちゃんがちょっとかわいそうだ。

07/06/08

2007年4月30日

 夫の職場のリクリエーションにきゅうたろう君と弟を連れてついていった。
 「吉野山の散策と花見」とは何とも風流ですなあ。行く行く。私が育休取ってる今、私の職場関係のレクは皆無だし。
 きゅうたろう君には「近鉄特急乗って、奈良に行くよ」と知らせておいた。
 乗り物の大好きなきゅうたろう君は「キンテツトッキュウノッテ、オサンポイク」と毎日のように言っていた。

 甘かった。オサンポどころか、登山だ。吉野駅からはバスがでていたが、一行はバス停を素通りして登山コースへ。土と石の急な斜面をえっちらおっちら登っていくのだ。
 ちょっと待って。私の右腕には10キロの弟。前にはバギーに乗ったきゅうたろう君。かばんにはオムツが5枚ずつ。子ども用のお弁当とジュースが4本。
 途中、バギーでは上れないところは職場の方にバギーを背負ってもらい、きゅうたろう君を夫と交代で抱っこして山の中腹までたどり着いた。
 一行はこの上にまだ登るという。
「大河原君、どうする?」
 今すぐ帰りたい。小さな声で夫に言ってみた。夫は無視して、「ここで、待ってます」と答えていた。

 ところがそのとき「マダオサンポイクーノ!」と叫ぶやつがいた。言わずとしれたきゅうたろう君だ。

 なに言ってんだ。おまえは。ずっとバギーに乗って気持ちよく風に吹かれながら桜を見てたのはアンタだけ!ママはただでさえ運動不足なのに、ようちゃんを抱えて登ってきたのよ!桜があったかどうかも覚えてないわ。だめだめ!休憩よ!

 そこで見た桜と景色はなんともきれいだった。

 このレクを一番楽しんだのはきゅうたろう君だ。
 きゅうたろう君は近鉄特急に乗っている間ずっと、特急とすれ違うたび、「マタキター!」「オンナジ!イッショ!」とママの膝の上ではねていた。
 途中、隣のホームに伊勢志摩ライナーが止まっていたので教えてあげると、「キイロ!イシセマライナー!」とちゃんと覚えた。
 座席の頭の部分に紙製のカバーが掛かっていて、そこには近鉄電車の絵が描いてあった。もらって帰りたかったけど気が引けて、「やめとこ」と言うと、「ホシカッター!」とお猿のような顔で泣いていた。

 帰ってきてからも特急の絵本をめくりながら
「キンテツトッキュウ!」「サクラライナー!」「イセシマライナー!」を連発していた。

 なんともかわいい。あんまり行きたくないけど、また連れて行ってあげたい。

07/04/30

2007年4月29日

 きゅうたろう君はあれだけこだわったおっぱいをすっぱりやめた。


 3月半ば。私はひどい頭痛におそわれた。痛くて立ち上がれなかった。
 幸い頭痛は翌日には治ったし、ちょうど実母がいて、夫にも連絡がついて早く帰ってきてもらえたので、たいした騒動にはならなかったが、私が起きあがれないような時でもきゅうたろう君はおっぱいにしがみついて、おっぱいなしにはネンネできなかった。これは堪えた。

 それ以来、私はおっぱいをあげるのがイヤになってしまった。
 私は決意した。自然に卒乳するのを待っていたけど、もう十分待った。やめさせよう。私の体調不良の時さえ離れられないなんてつらすぎる。ちょうど進級するときだから、いいきっかけになる。

 3月末。ぞうぐみさんに進級するのを目前にして、私はきゅうたろう君に言った。
「きゅうたろう君はもうすぐぞうさんになるからお兄ちゃんやで。だからおっぱいは赤ちゃんにあげような。こぐまさんとこあらさんはまだ赤ちゃんやからおっぱいほしがるけど、お兄ちゃんはおっぱいはいらんやろ。ぞうさんになるまではおっぱい飲んでいいよ」
 きゅうたろう君は保育園でぞう組さんが一番大きいのをちゃんと知っている。こぐま組で一年間、ぞう組さんが手をつないで散歩に行ってくれたり、おもちゃを譲ってくれたり、三輪車をこげたり、自分より大きい人というのがちゃんとわかっているのだ。

「ゾウサン?」「オニイチャン?」「アカチャンニオッパイ、アゲヨナ!」
 きゅうたろう君は張り切って返事した。頭痛以来ママがおっぱいをなかなか快くくれないので、久しぶりに笑顔でおっぱいをもらえて嬉しかったのか、にこにこおっぱいを飲みながら。

 4月。保育園は準備期間で数日お休みだ。いつも通り、朝起きてすぐおっぱいを飲んでいるきゅうたろう君に尋ねてみた。
「久ちゃん、ぞうさんになったらおっぱいやめるんやんな?」
「イヤ。ヤメナイ」
「・・・・」

 保育園が始まった。きゅうたろう君はやっぱりおっぱいをやめない。寝る前。眠りが浅くなった夜中数回。朝方数回。起き抜け。

「お兄ちゃんやろ」
「ぞうさんやろ」
なんにも聞いてない。

 号泣されると私も起こされるし、きゅうたろう君も起きてしまう。弟もパパも起こしてしまう。家族そろって午前5時前に起きる日が数日続いて私は自信がなくなってきた。
 つらい。眠い。時期尚早だったのかしら。あんなにほしがって泣いてかわいそう。どうせ号泣されておっぱいをあげてしまうなら、はじめからあげた方がいいのかなあ。
 でももう快くあげられない。
 保育園の先生に相談してみた。
「なかなかかもしれないけど、おっぱいやめたらもっとご飯食べるようになるよ、お母さん」
 この言葉は私に力をくれた。きゅうたろう君におっぱいをやめさせるのは悪いことじゃない。
ご飯をたくさん食べて大きくなってもらいたい。ダメ元でいろいろやってみよう。

 私はおっぱいに顔をかいた。以前使ったテだ。コレできゅうたろう君は食事代わりにおっぱいを飲むのをやめた。
 きゅうたろう君が保育園から帰ってきた。

「久ちゃん。あのね、おっぱいがね、怒ってるよ」
「オコッテルノ?」きゅうたろう君はじっと私を見ていた。

「そう。久ちゃんがぞうさんになったらおっぱいやめるって言ってたのに全然おっぱいやめないから。おっぱい怒ってるの見る?」
「イヤン。コワイ」
「見てみてよ。ようちゃんのおっぱいは怒ってないねん。久ちゃんのだけ怒ってんねん」
「イヤーヤ」

 正念場の寝るときだ。
「久ちゃん、おっぱいあげようか。」
「イヤン。コワイ」
「おっぱいなかったら眠れないやろ?」
「イヤン。イラナイノ!!」
「ほな、背中ポンポンしたげよか?」
「ウン」

 きゅうたろう君は生まれて初めておっぱいを拒否した。私は大声でやったー!!と叫びたかった。家にはほかに誰もいないところが悲しい。
 まだまだ油断できない夜中。
「オッパーイ!」
きゅうたろう君が叫んで目を覚ました。
「おっぱい怒ってるよ。飲むか?」
「イヤーヤ!!」

なんと!!

 朝、目を覚ましたきゅうたろう君に私は言ってみた。
「久ちゃん、今日おっぱい飲まなかったね。すっごいねー!」

 きゅうたろう君はタイムリーな一言。

「オッパイバイバーイ。」

 弟が生まれて9ヶ月。ずっと悩んで悩んで、いろんな人に相談して調べて考えて格闘してきた卒乳が、いまやっとできて気持ちも体も楽になりました。きっかけはちょっとしたことだったけど、長い過程があって機が熟していたのだと思っています。

 あの日から約1ヶ月。きゅうたろう君は一度もおっぱいをほしがりません。

07/04/29

2007年3月16日
 ■ 失恋

 久太郎君には好きな女の子がいる。保育園の同じクラスのレイちゃんだ。1月生まれのレイちゃんはおとなしくて小柄で、何となく上品な感じのする女の子だ。
 夕飯を食べているとき、お風呂に入っているとき、突如としてママに「レイチャンハ?」と聞いてくる。「さあねー。きっと今頃おうちでご飯食べてるよ」と答えておく。
「レイチャンパパハ?」と聞かれたこともある。レイちゃんのパパが何をやってる人か聞いたことがないけど「きっと、まだお仕事頑張ってるんじゃないかな」と答えておく。
 保育園の先生に報告すると、「そういえば昨日のお昼ご飯の時突然、レイチャンハ?って聞かれました。お休みされてたんですけど。気になる存在なのかしらねえ」
 こんなこともあった。保育園のママ数人と子どもを連れてご飯を食べる機会を持った。レイちゃんが遅れてママと一緒にやってきたとき、久太郎君は入り口まで走って寄ってきた。
「レイチャンダ!」
 ほかの子を出迎えたりはしなかったのに。
 そうかー、久太郎君、レイちゃん好きなのかー。(ママがまだまだ世界で一番久太郎君の好きな人だという自信があるので、ちっとも焦らない私。ふふ)
 横に座ったレイちゃんママに聞いてみた。
「うちの久太郎、レイちゃんのことよく家で聞いてくるんだけど、レイちゃんは久太郎のこと何かいってる?」
「いえ。レイは何も。」
「レイはまだあんまりおしゃべりしないんです。」
 レイちゃんママはフォローをしてくれたけど、久太郎君のほのかな恋は泡と消えそうだ。

07/03/16

2007年3月15日
 ■ パン屋さん

 久太郎君はパン屋さんが好きだ。でもパン屋さんで私が「こらー!」と言わない時はない。
 ある日のパン屋さん。レジで片手に弟のベビーカー、片手にパンのトレーと財布。久太郎君は私の後ろについてきているはず。(どっか行ってないよな?)気になって後ろを振り返った。久太郎君は両手に試食のパンをいくつも握って口に入れようとしているところだった。
「こらー!!」
 久太郎君はびっくりして手からパンを床に落とした。そして急いでパンを拾ってあろうことか試食の器に戻した! 慌てて駆け寄ったけどどれが落としたのものかわからない。どうしようもなくてそのままにして置くしかなかった。すいません。
 またある日のパン屋さん。久太郎君はまた試食のパンを食べていた。(まあ子どもやしな。)私は横目でみながらお豆パンをトレーに入れた。すると別の種類のお豆パンを持った店員さんが「こちらは新商品なんです。どうぞ」と試食を差し出してくれた。私は「ありがとうございます」ともらって久太郎君に
「これ、くれはったよ。どうぞ」とあげた。久太郎君はなんと、食べていたパンをべーとはき出して新しいパンをぱくっと食べた。 「こらー!!」
 またまたある日のパン屋さん。
「久太郎君、パンの試食は、買おうかな、どうしようかなって迷ったときにちょっと食べるもんやで。久太郎君のご飯ちがうで。欲しかったらこうてかえろな」
「ウン」
 久太郎君はパン屋さんの前でそう返事してから、いつものように試食のパンを食べていた。
「こらー!!」

07/03/15

2007年3月11日

 久太郎様は本日すこぶるご機嫌が悪い。お風邪を召されて咳がひっきりなしに続くからだ。
 午前5時半。ひどく咳き込まれて目を覚まされた。隣に寝ているママに「ママ、オキヨウヨー」と声をかけられた。弟とパパは当然夢の中である。
 朝食は白飯にカレイの煮付けとみそ汁といつもながらの和食のメニューだが、久太郎様はお気に召さない。「パンチョウダイ」久太郎様は電子レンジの横にいつもママがパンをストックしているのをよくご存じなのだ。久太郎様はご飯を勧めるママに「パンイイノ!」と重ねて要望されてパンを召し上がった。一口食べると「オヒザ」と申され、弟を差し置きママの膝の上に座って悠然とパンを召し上がった。
 パンを食べ終わると「デンシャ」と申され、早々にママの膝を降りて居間のデンシャで遊び始められたが、すぐ「マンマ、ダーッコ」と膝に戻ってこられた。
 弟はいつまでたってもご飯を食べれずママの隣の席で待っている。
 久太郎様は鼻水もひっきりなしだ。「ハナ!」とおっしゃれば鼻水をティッシュで拭いて差し上げなければならない。おばあちゃんがティッシュをとってぬぐおうとしようものなら「オバアチャン、チガウノ!!」とおしかりの声が飛ぶ。
 「ウンコ!」とおっしゃればオムツを替えて差し上げねばならない。パパがオムツを取って近づこうものなら「パパ、チガウノ!!」
 「ズレチャッター!」デンシャの脱線をなおして差し上げねばならない。
 「オバアチャン、チガウノ!」
 「オソト!」ジャンパーを着せてお供せねば・・・。
 「パパ、チガウノ!」

 午後6時。ママはいつもより遅い夕食の準備にかかろうとしていた。ママが台所に立った瞬間、久太郎様は「ダーッコ。ダアーッコヨー」とママの脚にしがみついて来られた。おばあちゃんにたしなめられ渋々おばあちゃんに抱っこされた久太郎様は小さな声で「マンマ、ダアッコヨー」とつぶやかれていた。
 大急ぎでママは夕食を作って並べた。久太郎様は真っ先に椅子に座られた。「アツイ。マンマ、フウフウシテ」ほかの家族のご飯の盛りつけが終わっていないがママは久太郎様のご飯を先にふうふうした。「マンマ、タベサセテ」ママは久太郎様のスプーンを持って久太郎様にアーンとした。久太郎様は「オイシナイ」とはき出した・・・・。
 久太郎様はさすがにママに家の外に放り出された。でも素早い動きで家の中に舞い戻り、我慢して全部ご飯を食べた。
 食べ終わったとたん、平然と「ネンネ」とおっしゃった。
 ほかの家族がご飯を食べている中、久太郎様はママとお風呂に入られた。
 ベッドに入ってママは「今日は咳がひどいからオッパイ飲んじゃだめだよ。吐いちゃうからね」と言った。
「イヤー!!」久太郎様はお猿のような顔で拒否された。しかし1分後、お昼寝をしなかった久太郎様はすでに寝入られた。

 久太郎様の(ママの?)長い一日がやっと終わった・・・。

07/03/11

2007年2月27日
 ■ 神経質

 久太郎君はどうやら神経質なたちのようだ。
 保育園に迎えに行くと、靴箱がちょうど門から見えるが、靴をきっちりそろえて奥まで入れてある。今までそうでなかったことがない。
 久太郎君は家で居間のドアを開けると必ずしめる。
 久太郎君が伝い歩きをし始めた頃に台所の引き出しにストッパーを取り付けた。今はそのストッパーを久太郎君が閉めて回っている。
 久太郎君のネンネしている毛布がずれて下のマットレスが見えていると毛布のずれを直そうと一生懸命引っ張っている。自分が乗っているから毛布は直らず怒る。
 カーペットカバー、ソファーカバー、お風呂の足ふきマット・・・、何かの拍子にめくれていると必ず直す。
 ミニカ、マグネット、パズル・・・をまっすぐ並べるのがすき。
 「ズレチャッター!!」と泣いているので、駆けつけるとほんの少し曲がっている・・・。
 病気なんじゃないの?
 保育園の先生によると、こだわりの時期らしい。
 でも「ご両親のどちらか、きっちりしてらっしゃる?」
 私じゃないよ!

07/02/27

2007年2月20日
 ■ いつの間に

 久太郎君はママのしゃべっている言葉をちゃんと聞いているようだ。
 弟が風邪を引きお風呂に入れず、でも久太郎君はお風呂に入らなくてはならず、私は一人ではどうにもできずパパになんとか帰って来てもらうことにした。久太郎君はいつもなら眠っている時間でもパパはなかなか帰ってこなくて、私は思わず「パパ遅いなあ」と久太郎君にこぼした。
 すると、久太郎君がなんと!
 「ドコイッテンノ」といった。
 あ~。誰かの口調そっくり。いつもパパにこうやって怒ってるんだなあ。子どもに指摘されちゃったよ。反省反省。
 またある日。
 弟を着替えさせようと裸ん坊にした。弟は7ヶ月だが、9.6キロで、大きい。私は「かわいいなあ、おおきいなあ」と思わず声に出して弟のお腹にスリスリした。
 そのとき、久太郎君が、「ブタマン」といった!!
 私は耳を疑った。ごめんね、ようちゃん。ママは決して大きいようちゃんを馬鹿にしてる訳じゃないのよ。ただ、あまりに大きくて色白だからかわいくて・・・。
 ある朝、朝ご飯を作るのに忙しかった私は久太郎君に「パパ起こしてきて」と言ってみた。
 久太郎君は走って階段を上っていった。
 パパが久太郎君を抱えて降りてきた。
「パパ、ハチジって久ちゃんに起こされた」ぼさぼさの夫はそういった。
「・・・・・」

07/02/20

2007年2月19日

 久太郎君がインフルエンザにかかった。
 保育園では予防接種を受けていなかったお友達が先日休んでいたが、(さすが予防接種の効果がでているわ)と高をくくっていた。
 しかし朝起きてきてすごく機嫌が悪く、熱い!
 38.3度。
 あ~、これは来たな。
 ご飯はもちろん、お菓子もジュースも「イラン」というし、危険なので日曜だけどかかりつけの病院に電話してみてもらった。
 果たしてインフルエンザであった。
 こういう時っておっぱいがたくさんでてありがたいなあ。

07/02/19

2007年2月 6日

 先日久しぶりに職場に顔を出した。
 上司に購読している仕事関係の雑誌二冊をしばらく止めてほしいと言ったところ、「時間あるやろ。今のうちに勉強しといてよ」となにげなく言われて驚いた。
 誤解のないように書いておくと、上司は心優しく、家事も分担して子どもの世話もちゃんとする男性である。
 2歳児と6ヶ月児を、夫と実家の協力なしに育てている私に、どうして時間があるんだろう。
 6時半頃久太郎君と起きる。ご飯の準備をしながら着替えさせ、8時にパパを起こしてご飯をみんなで食べる。
 9時に久太郎君とパパを見送って、授乳してから自分の洗顔、洗濯、食事の片づけ、掃除が終わったら、もうお昼だ。
 離乳食を作って食べさせ、自分の食事をして、弟をお昼寝させ、散歩がてら夕食の買い物、授乳しながら調理をすると午後4時。久太郎君を保育園に迎えにいく時間だ。
 午後5時半。夕食を久太郎君に食べさせ、授乳しながら絵本を読んであげる。
 7時半、お風呂に3人で入る。
 8時すぎたら、3人でお布団に入る。二人ともおっぱいを飲みながら寝る。
 9時半、2人とも寝たら台所に戻って朝食の準備をする。泣いて起きてきたら添い寝してまた台所に戻り、また泣いて添い寝して。
 夜11時頃寝る。寝ながら子どもが泣いたら授乳する。
 やっぱり自分の時間はない。
 これが、「子どもの食事は毎食スーパーの出来合いのお総菜でいい」とか「離乳食は缶詰のベビーフードで十分」とか「子どもにはビデオを見せておいたらいい」と信じている人なら話は別だけど。
 私も子どもができる前は、昼食は毎日お弁当を買っていたし、夕食も外食が多かった。家がホコリだらけでも床に寝る人もいないし全く気にならなかった。今思えばせいかつに必要なサービスをお金で買ってできるだけ効率的に生活していたのだと思う。
 でも子どもがいるとそれはできない。もしくはお金で買おうとすると膨大なお金がかかる。
 子どもの生活に必要なもの・・・。安全な食事、清潔で居心地のいい家、安心できる家族。
 パパが生活に必要なお金を持ってかえってくるのには当然感謝している。でも子どもに必要なものを実際に用意するのがうちの場合(たぶんたいていのうちも)、現実的には私しかいない。私は子どもがかわいいし、自分にできる限りのことを子どもにしてあげたいのでこの生活が大満足というわけではないけど大丈夫だ。
 大丈夫だけれど子どもを育てる女性の毎日をわかってない人がいるのは悲しい。昼休みはない、有給休暇もない、お盆休みもない、病欠もできない。給料もない。とにかく自分のことは置いといて頑張ってる!!
 時間ないです。

07/02/06

2007年1月31日
 ■ おっき

 きゅたろう君のおしゃべり言葉は毎日一語くらいずつ増えている。今朝は「オッキ」と言った。たぶん「大きい」だ。
 形容詞はこれで3つ目かなあ。はじめは「アッチ」(熱い)だった。炊きたてご飯を食べて「アッチ」。お風呂に浸かって「アッチ」。しばらくすると熱くないものまで「アッチ」と言っているから変だと思ってよく聞いていると「オッチ」(おいしい)のようだった。おもしろいことに、私が「熱いよ」とか声をかけると大抵すぐ「アッチ」と反復するのだ。
 今朝はパンを食べた後にきゅうたろう君の大好きな晩柑をむいていたときだ。きれいに皮が外れたので一口大に割らずに丸ごと皿に置くと「オッキ」とすぐにつかんで丸ごと口に入れたのだ。大きすぎてふくれっ面みたいな顔になっていたけど、とてもかわいらしかった。

07/01/31

2007年1月28日
 ■ うそつき

 久太郎君は2歳になってからうそをつくようになった。
 「おむつ替えようか」と誘うと、「イマカエタトコ!」ともっともらしいことを言う。
 「ウンコしてるでしょ?」と気張っている顔をしてるから指摘すると、「チーガーウ」と真っ赤になっている。
 大人のまねっこもよくする。
 夕食後くつろいでいると、必ず「ソウジシヨ!」と言い出す。ぞうきんを嬉々として洗面所へ取りに行き床や窓はもちろん、ソファや弟の頭、自分の口元も拭いている。やめてー!!
 お風呂上がりは、「キレイキレイシヨ!」「ツルツルー!」とハンドクリームを持ってきて手や顔に塗り塗りしている。「キレイニナッタ!」とお布団に入ってから顔を触っている。
 そんなこと、ママしてる?

07/01/28