篠原 希 個展「噛み付く土の景色」

1月7日(水)~1月24日(土)11時~18時(日・月曜休。最終日16時まで)、桃青京都ギャラリー(京都市中京区一之舟入町375 SSSビル1F。地下鉄東西線「京都市役所前」直結、ゼスト御池16番出口より徒歩3分。Pなし。周辺有料Pあり)TEL075・585・5696。
篠原は、花崗岩が風化して生まれた黄瀬の土や、微細な炭素を含む木節粘土など、信楽の土地が育んだ複数の土を独自に調合し、穴窯による高温焼成によって“土が熔ける瞬間”を作品として定着させてきました。同展では、窯変壺や焼締壺をはじめ、茶碗、花器、酒器など、信楽土の本質に迫る最新作を展観いたします。
篠原の制作の根底には、土が本来もつ生命力を最大限に引き出すという思いがあります。穴窯での焼成は1250〜1300℃に達し、炎や灰が直接作品へ作用し、溶融、流動、収縮など、自然が生み出す現象そのものが表面に刻まれていきます。彼にとって窯焚きは、計画と偶然が交わる“実験の場”であり、毎回異なる結果に立ち会う姿勢が、作品へ独自の緊張感と力強さをもたらしています。
さらに、桃山陶工たちが楽しんだであろう“土と炎との対話”を現代に取り戻す姿勢も、篠原の制作を象徴するものです。伝統工芸師としての確かな技術を背景に、復古にとどまらず、信楽という土地の素材が持つ可能性を、穴窯焼成を通して現代へとつなげています。
同展では、熔け、流れ、破れ、そして再び固まりゆく土が生み出す唯一無二の景色を、作品を通してご覧いただけます。信楽の土と穴窯が描き出す豊かな表情を、ぜひこの機会にご高覧ください。
桃青京都ギャラリー
【作家ステートメント】
真っ白で火に強い信楽の土。「その土を熔けるまで焼いて見たらどうなるのか」芯から焼けた土から滲み出てくるような色や景色。それは私にとっては蜜のように感じる感覚です。 篠原 希
問い合わせinfo[at]gallerytosei.com(桃青京都ギャラリー)。
山田和 個展「得体の知れないエネルギー、カオスの時代─桃山サンバ」

12月5日(金)~12月25日(木)11時~18時(日・月曜休。最終日16時まで)、桃青京都ギャラリー(京都市中京区一之舟入町375 SSSビル1F。地下鉄東西線「京都市役所前」直結、ゼスト御池16番出口より徒歩3分。Pなし。周辺有料Pあり)TEL075・585・5696。
山田は、陶芸を生業とする一族に生まれながら、後年「桃山」という時代と深く呼応することに
なります。当初抱いていた“華麗で優雅な時代”という印象は、調査と制作を通じて覆されまし
た。実際の桃山は、戦乱の余韻が続き、「誰もが何者にもなりうる」混沌の時代であり、そこに
文化の爆発的なエネルギーが渦巻いていました。
茶の湯、絵画、陶芸、漆芸、辻が花、歌舞伎――
わずか四十年ほどの間に日本文化のマグマが一気に噴き上がり、庶民まで巻き込んだ“文化の火山
帯”のような時代。
そのスペクタクルを知った山田は、陶芸という領域にとどまらず、美術家としての精神と身体を
揺さぶられたと語ります。
「得体の知れないエネルギーと精神に突き動かされ、今の私の仕事スタイルになっていった」と
述べるとおり、創作の根源には当時の混沌と高揚が息づいています。
同展では、山田の代表的シリーズであるオブジェ「アッサンブラージュ」を始め、深緋炎舞志
野、赫釉織部などの茶碗・ぐい呑といった、「桃山時代」に影響を受けた主要作品群を一挙にご
覧いただきます。また、作家キャリア初期の重要作である1977年制作「かごめかごめ」を特別
出品し、山田の創作の原点と最新の表現を同時に俯瞰できる構成となっています。
山田は、日本での個展開催にとどまらず、1988年のドイツでの穴窯制作、近年のヴィクトリア
&アルバート博物館(英)への作品収蔵など、国内外で長年にわたり注目を集めてきました。
同展は、その歩みの集積と、桃山への思索が新たな形で結晶する機会となります。
混沌と創造のあいだに立ち現れる“桃山サンバ”のリズム。
山田和のエネルギーが躍動する世界を、ぜひご高覧ください。 桃青京都ギャラリー
問い合わせinfo[at]gallerytosei.com(桃青京都ギャラリー)。
ちょっと素敵な朝からクラシック─フィギュアスケート・ベスト・セレクション─

12月5日(金)10時半開演(10時開場)、京都市呉竹文化センターホール(京都市伏見区京町南7丁目35-1。京阪本線・近鉄京都線「丹波橋」西口前、または市バス「板橋」下車西へ徒歩8分。Pなし)TEL075・603・2463。※ご来場の際は公共交通機関をご利用下さい
京都市交響楽団メンバー9人によるアンサンブル「京都しんふぉにえった」が、クラシックの名曲から映画音楽まで、「フィギュアスケート」をテーマにバラエティー溢れるアレンジ・プログラムを届け。
出演=京都しんふぉにえった|塩原志麻(第1ヴァイオリン)、片山千津子(第2ヴァイオリン)、小田拓也(ヴィオラ・編曲)、渡邉正和(チェロ)、黒川冬貴(コントラバス)、筒井祥夫(クラリネット)、中野陽一朗(ファゴット)、稲垣路子(トランペット)、中山航介(パーカッション)
プログラム(編曲:小田拓也)=ピアソラ/リベルタンゴ・天使の死、サン=サーンス/死の舞踏、リスト/ラ・カンパネラ、モンティ・ノーマン/映画007シリーズより『ジェームズ・ボンド』のテーマ、坂本龍一/映画『戦場のメリークリスマス』より「メリー・クリスマス・ミスター・ロレンス」、ニーノ・ロータ/映画『ロミオとジュリエット』より「愛のテーマ」 ほか
前売り1500円。
※残席がある場合のみ、当日券(1800円)発売
※全席指定
※未就学児入場不可
申し込み・問い合わせTEL075・603・2463(京都市呉竹文化センター) ほか。
吉村桂子 展─暮れゆく─

12月5日(金)~12月25日(木)10時~18時半(木曜定休、12月25日は開廊。最終日17時半まで)、延寿堂ギャラリーソフォラ(京都市中京区二条寺町東入ル延寿堂1F。地下鉄東西線「京都市役所前」より徒歩3分)TEL075・211・5552。
モザイクガラス作品。器、酒器、花入、ランプシェード。
作家在廊日:12月5日(金)・12月6日(土)
問い合わせTEL075・211・5552(ソフォラ)。
京都・太秦キネマのまち〜小津安二郎〜

12月4日(木)~12月5日(金)、京都市右京ふれあい文化会館ホール(京都市右京区太秦安井西裏町11-6。JR嵯峨野線「花園」より徒歩5分)TEL075・822・3349。
●12月4日(木)12時半/『お早よう』(1959年/総天然色/94分)
脚本=野田高悟・小津安二郎。撮影=厚田雄春。音楽=黛敏郎。
出演=設楽幸嗣・久我美子・佐田啓二 ほか
●12月4日(木)14時25分/『東京物語』(1953年/モノクロ/135分)
脚本=野田高悟・小津安二郎。撮影=厚田雄春。音楽=齋藤高順。
出演=笠智衆・東山千榮子・山村聡 ほか
●12月5日(金)12時半/『彼岸花』(1958年/総天然色/118分)
原作=里見弴。脚本=野田高悟・小津安二郎。撮影=厚田雄春。音楽=齋藤高順。
出演=佐分利信・田中絹代・有馬稲子 ほか
●12月5日(金)14時50分/『お茶漬の味』(1952年/モノクロ/115分)
脚本=野田高悟・小津安二郎。撮影=厚田雄春。音楽=齋藤一郎。
出演=佐分利信・小暮実千代・鶴田浩二。
※入場時間は各上映時間の10分前
※作品ごと入替制
1作品1300円(前売り1000円)。
※全席自由
申し込み・問い合わせTEL075・822・3349(右京ふれあい文化会館/火曜休、但し休日の場合翌平日休。9時~17時) ほか。
竹中俊ドキュメンタリー映画『はんぶんこ』

12月4日(木)12時開演(11時~受付)、大宮交通公園コミュニティールーム(京都市北区大宮西脇台町17-1。市バス「大宮交通公園前」下車すぐ、有料Pあり、駐輪場無料)。
映画上映+トークショー。
アジア最貧国ネパール。
僕は35人のパパになった。
僕たちは「孤独な家族」だった。
貧困とは、家族とは、生きるとは。
監督=簾 颯人
出演=ネパールの子どもたち、Ganesh Man Yonjan、Shiva Shanker Nepali
大人2000円、高中生1000円。
申し込み・問い合わせ @nepa_lism165
第7回都機の会作品展「月と鳥と虹と」
莊司晶 木工展

12月3日(水)~12月14日(日)12時~18時(最終日17時まで)、町家ギャラリーカフェ龍(京都市北区紫野下石龍町3-5。市バス「北大路堀川」下車徒歩5分。提携駐車場「風良都パーク47」あり。サービスコインをお渡し)TEL075・555・5615。
問い合わせTEL075・555・5615(町家Gallery café龍)。
岩村操×岡本祥吾 二人展

12月3日(水)~12月14日(日)12時~19時(月曜休。最終日17時まで)、ギャラリーにしかわ(京都市中京区河原町通四条上ル塩屋町332 マロニエビル2F。阪急烏丸線「河原町」3番出口より徒歩5分)TEL075・212・3153。
岩村操/─自由な布─ 在廊日:12月3日・12月6日・12月7日・12月13日
岡本祥吾/─0を石化し、石として表現する─
問い合わせTEL075・212・3153(ギャラリーにしかわ)。


