大軍拡・戦争準備に反対する決意を新たにした参加者(10月19日、精華町・けいはんな記念公園)

祝園分屯地に14棟計画 大型弾薬庫新設ストップ

 「戦争への道を押しとどめましょう」─陸上自衛隊・祝園分屯地(精華町、京田辺市)で長射程ミサイルを保管するための大型弾薬庫新設ストップを求める「10・19祝園全国集会」(同実行委員会主催)が19日、精華町のけいはんな記念公園芝生広場で行われ、全国から約2700人が参加。大軍拡、戦争準備に反対する各地の取り組みが交流され、連帯への決意が語られました。

 主催者を代表して「京都・祝園(ほうその)ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク」(ほうそのネット)の呉羽真弓共同代表が、「平和を守るために今こそ声をあげなければいけない。つながることが必要です」とあいさつ。

 敵基地攻撃能力保有に伴う長射程ミサイルの配備やミサイル保管のための弾薬庫建設など、全国各地で急激に進められている戦争準備の実態が、沖縄、大分、熊本、広島、兵庫、静岡、愛知、神奈川の各県の住民団体から告発され、連帯の呼びかけが行われました(別掲)。

平和の京都「今が岐路」

 京都総評の梶川憲議長は、「平和の京都に住み、生きることができるのか今が岐路になっている。京都、全国、全世界の働く仲間と連帯して戦争を拒否する」と決意を表明。

 続けて、祝園分屯地での弾薬庫新設に反対する「ほうそのネット」の真崎一伸共同代表は、精華町内を戸別訪問し、中国まで届くミサイルが同分屯地に保管されると伝え、反対署名を呼びかけると、住民が「怖い」と協力してくれたと述べ、「署名が大きな力を発揮する。大きく広げていきたい」と決意を語りました。

 精華町民の島本真梨子氏は、「国を守ることは大切です。けれど、守るべき国とは、家族や子どもたちが暮らす日常ではないでしょうか。だから、住民の声を無視せず聞き、慎重に判断し、説明と相談を尽くしてほしい」と訴えました。

「文民統制」に反する事態も

 奈良県の「祝園ミサイル弾薬庫問題を考える・奈良の会」の佐川愛子氏と大阪市交野市の「交野・憲法とくらしを考える会」の志水博子氏は、宣伝・ビラ配布、対話などの取り組みを報告するとともに、地域で反対の世論を広げていく決意を語りました。

 京丹後市の「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」の永井友昭氏は、米軍基地の工事が始まった2014年5月からほぼ毎日基地を監視してきたと報告。その中で、今年7月には、米軍基地で、地元住民への事前連絡のない米軍と自衛隊との共同訓練を目撃したことを紹介。のちに防衛省が訓練実施を把握していなかったことが発覚し、文民統制に違反するような事態が発生したと強調し、「これからも毎日、チェックする。ともにたたかいましょう」と語りました。

軍拡・基地強化で市民の命は守れない

 舞鶴市の「憲法を生かす・平和ための舞鶴ネットワーク」の名取哲夫氏は、海上自衛隊舞鶴基地では、2隻のイージス艦へのトマホーク配備計画とともに、反撃を想定した司令部地下化が進められ、来年度の概算要求に弾薬庫2棟分の予算が計上されていると告発し、「総監部庁舎の地下化では市民の命は守れない、攻撃用トマホーク配備ノー、弾薬庫新設ノー」と会場と唱和しました。

 陸自・饗庭野演習場のある滋賀県高島市の「あいば野に平和を! 近畿ネットワーク」の稲村守氏は同演習場での日米合同演習反対の取り組みを報告しました。

 京都のシンガーソングライター川口真由美氏が、韓国民衆の抵抗歌などを披露しました。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松氏は「沖縄だけでなく日本全国が戦場になろうとしている。戦争をやって国を守れないことは、先のアジア太平洋戦争が示した。戦争させないとしっかりと声をあげよう」と訴えました。

 集会の最後に「大軍拡・戦争準備に反対する全国の皆さんとつながり、手を取り合い、戦争への道を押しとどめましょう」との集会宣言が採択されました。

 集会に先立ち、文化イベント「Peace Piece フェス」が開かれました。集会後、ピースパレードが行われ、「学研都市に、全国どこにもミサイルいらない」「戦争準備を今すぐやめよう」などと唱和しました。

 集会とパレードには、日本共産党の堀川あきこ衆院議員、井上哲士前参院議員、京都府内の地方議員も多数参加しました。

集会後に行われたピースパレード