選択的夫婦別姓に反対し、特異な持論を主張している西田氏の動画(同氏のウェブサイトより)

 今国会の焦点の一つである選択的夫婦別姓制度の導入。導入を認めていない現行制度は、日本のジェンダー平等の遅れの一つでもあります。

 昨秋の総選挙の結果、与党過半数割れとなり、導入の機運が高まっていますが、「日本の伝統的な家族制度が崩壊する」「選択的夫婦別姓制度は必要なし」などと、導入阻止の発信を強めているのが西田参院議員です。

 導入に反対する神道政治連盟(神政連)がつくる「神政連国会議員懇談会」の会員でもあり、神政連のホームページには、応援する国会議員として名前も挙げられています(京都は、衆院=勝目康・本田太郎、参院=西田昌司・吉井章)。

 昨年の総選挙で神政連は、公約の一つに「伝統的な家族制度の崩壊につながりかねない選択的夫婦別氏(姓)制度については、定着している旧姓の通称使用を促して導入に反対し、制度としては同氏制を維持して家族の一体性を大事にするよう努めます」を掲げ、立候補予定者の推薦条件にしていたことが、『しんぶん赤旗』の入手資料で明らかになりました。

 西田議員は、自身の配信動画で、婚姻で姓を変えても旧姓の通称使用で対応が可能だとか、女性の改姓による氏の継承問題には子どもに養子縁組させるという持論を主張しています。

柿本さん

他人やよその家庭に価値感押し付けないで

新婦人会員 柿本礼子さん

 結婚後、夫の姓に改姓しました。婚姻前から勤めて来た前職の医療機関では旧姓を通称で使用していましたが、選択的夫婦別姓制度を直ちに導入してほしいと、新婦人の国会議員要請行動(2月18日)に参加して、旧姓の「柿本」で自身を取り戻したいとの思いがいっそう強まりました。

 改姓後は、「自分じゃなくなった気がする」と思ったし、給与明細や行政書類などで「職場に迷惑をかけている」という負い目も感じていました。しかし、国際的には、婚姻時に同姓を強要している唯一の国が日本であり、姓を選べる選択肢をいまだに法制化できていない政治こそ、国民の願いからすれば迷惑なことです。

 西田議員は、夫婦別姓の選択を妨害している議員の一人。「伝統的な家族制度が崩壊する」とか、改姓した側の姓の継承は養子縁組で子どもに継がせるなどの持論をお持ちのようですが、他人やよその家庭にまで自身の価値感を押し付けるのはやめてほしいです。

 自民党の中でも、男性による支配を良しとする家父長制に重きを置き、選択的夫婦別姓制度導入を妨害する議員は少数派。京都選挙区からは、妨害する候補は選ばないという行動を呼びかけ、ジェンダー平等の視点で選択的夫婦別姓制度の早期実現をめざす、日本共産党の倉林明子さんへの支持を広げたいです。