京都市長選(2月4日)で、「政治とカネ」の問題が大きな争点となっています。派閥の政治資金パーティーをめぐって自民党全体が裏金づくりにかかわる前代未聞の金権腐敗が明らかになるもと、京都の政治は大丈夫なのか、有権者の関心が集まってきました。こうした下、現職後継・松井孝治候補の選挙母体が政治資金パーティーを開催。元京都市議の村山祥栄候補に至っては「架空パーティー」を行い、政党が推薦を取り消すという前代未聞の事態に。「京都で金権腐敗政治を許してはいけない」「金権政治と無縁の福山さんを市長に」と、福山候補への期待が大きく広がっています。

「裏金底なし」自民党に憤り

 「こんなことなかった。手ごたえを感じている」。こう話すのは左京区岩倉明徳学区に住む、田中三千男さんです。

 明徳学区は、紅葉で有名な実相院のある地域。宅地化が進んだとはいえ農家も点在し、保守層も一定根強い地域です。ところが、今回の市長選では、今までの約2割増しで、福山氏のポスターが張れたと言います。新規の多くは、自民党などのポスターが張ってある場所です。

 「今回、思い切って福山さんのポスター掲示をお願いしてみると快諾してくれて、びっくりしてます。自民党の金権腐敗への怒りとそんな党に推された松井さんではだめとの思いがあるのではないか」と田中さん。

 ポスターを張らせてくれた一軒、農家の女性からはこんな声が返ってきました。「自民党の裏金疑惑は底なし。私ら確定申告して、一切ごまかしなしやのに、政治家は何千万円も裏金にしても不起訴なんて」

自民派閥「裏金」 判断材料「する」51%

 読売新聞は、市長選挙をめぐる情勢調査を行い、その結果を報じました(1月29日付)。それによると、自民派閥の政治資金規正法違反事件について、投票の判断材料に「する」と答えた人は51%となり、「しない」とした44%を上回りました。また、「する」と答えた人のうち、最多の25%が福山氏に投票するとした、結果となりました。

 この結果を反映するように、自民党の党員や元党員からも自民党への怒りとともに、「今度は福山さんやね」との期待の声が聞こえてきました。

松井陣営 会費1万円で水1本「カネまみれへきえき」

 ある行政区の男性自民党員宅。これまでなら自民党推薦の候補者のポスターが張ってあった自宅の壁は、空いたままでした。男性は「自民党のカネまみれの体質にはへきえき。もう党員も役員もやめた」と打ち明けました。その上で、「金権腐敗には無縁の共産党に支持されてる福山さん。当選の絶好のチャンスや」と話しました。

 自宅に松井氏のポスターを張る北区の自民党員と話す男性は、ミネラルウォーター1本で会費1万円の政治資金パーティーを松井候補の選挙母体が1月13日に開いたことを聞くと、福山さんへの期待をこう語りました。「これだけ政治とカネが問題になっているときに、パーティーを開くなんて驚きや。政治のカネまみれは底なし。根本から直さんと。福山さん頑張ってや」

 一方、村山氏は、昨年12月から今年1月までに開いた政治資金パーティー計9回のうち、8回は来場者なしの“架空パーティー”でした。しかもパーティー券購入者はすべて企業(延べ115社)で、購入金額は約2300万円にも上りました。「こんな人に立候補の資格があるのか」。有権者の間に怒りが広がっています。

 「応援しようと思ったことさえ、恥ずかしい」。こう明かしてくれたのは、左京区に住む女性です。今度の選挙は、「市政を変えてくれるのでは」と村山氏を応援するつもりだったと言います。「でも、何ですか、あのパーティー。それが発覚しても平気で立候補するなんて、ダメでしょ。松井さんも金権腐敗の自民党に推されている人。福山さんに期待するしかない」と言います。

 北区に住む「無党派層」と言う30代の男性や左京区の60代の自営業者の男性も、村山氏の「しがらみを断ち切る」「財政再建を」との公約に「期待していた」と言います。「でも、架空パーティーで企業から何千万円も金を集める。こんな候補者に『しがらみを断ち切る』ことなんてできますか」と怒ります。

 30代の男性は「共産党の支援する候補者に投票したことはなかったけど、今度は入れてみようと思う」と言います。60代の男性も「福祉を充実させながら、財政を立て直すと言う福山さんを応援したい」と話しました。

 カネにまみれた候補者は二之湯氏も例外ではありません。パーティー券を売り、その売り上げの還流を受けていた人物です。

 「つなぐ京都2024」のメンバーが1月27日、左京区の京阪出町柳駅前でシール投票を呼びかけながら、有権者と対話しました。福山氏と他候補との違いを説明すると、シール投票に応じた人たちは「それなら福山さんや」と反応が変わりました。

 足を止めた40代の女性に「政治資金パーティーをしていないのは福山さんだけ」と話すスタッフ。女性からは「クリーンな政治にするため、福山さんにはぜひ頑張ってほしい」との答えが返ってきました。

自民府連マネロン告発 金権腐敗許さず行動

 福山氏は、一昨年に発覚した、自民党府連のマネーロンダリング疑惑について京都地検に告発した弁護士の一人。金権腐敗を許さないため自ら行動してきました。それだけに、政治とカネの問題について訴える言葉に力が入ります。

 「政治がカネの力でゆがめられたらあかんというのは、民主主義のイロハ。このことに国も地方も関係がない。自分たちが選ぶ市長がカネにまみれた金権派なのか、そうでないかは大事なことではありませんか。政治家の仕事は金集めではなく、市民の声を集めることだ」と訴えます。

 祇園(東山区)で、スナックを営む清水由子さんはこう訴えます。「福山さんの言う通りです。福山さん勝利で金権腐敗の政治を京都から変えましょう」

金権腐敗政治止めるチャンス

神戸学院大学教授・上脇博之さん

上脇博之さん

 自民党派閥による政治資金パーティーの裏金問題が相次いで発覚するもとでの京都市長選です。福山さん以外の候補は「国政の問題だから関係ない」などと述べているようですが、京都でも多くの問題が起こっています。

 自民党京都府連は国政選挙のたびに府・市議に50万円ずつ配る「マネーロンダリング」を繰り返し、元京都市議の候補は政治資金パーティーを9回企画し総額4600万円以上を売り上げながら、8回も開催しないという「架空パーティー」疑惑が問題になりました。

 いずれも多額の金によって政治をゆがめるものです。政治資金パーティーは事実上の企業献金となっており、特定企業のための政治が続いてきた原因になっています。京都民報の紙面でも報道してきたように、歴代の京都市長や府知事は選挙前に大企業から多額のパー券を購入してもらい、事実上の企業献金を受け取ってきたことが分かっています。

 今こそ、企業・団体献金の禁止とともに、政治資金パーティーそのものをやめ、金権腐敗政治を止めるチャンスです。

 いま京都市に必要なのは、金権政治を明確に批判し、市民の声を聞く政治の実現です。それを実現できるのは、企業からの献金を1円も受け取らず、クリーンな福山さんだけです。福山さんの勝利で、日本の政治を根本的に変えましょう。