京都府に要望書を手渡す(左2人目から)田中、坂田麻智、北村、坂田テレサ、井田(1人おいて)、二宮の各氏(9月6日、京都府庁)

 選択的夫婦別姓や同性婚の法制化を求めている京都の当事者らが9月6日、京都府の西脇隆俊知事に対し、国に選択的夫婦別姓と同性婚の法制化を求めることと、府として婚姻と同等の関係を認める「性別・SOGI(【ソジ】性的指向・性自認)を問わないファミリーシップ制度」を創設するよう要望書を提出しました。

 提出したのは、「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」を前身として今夏、結成された一般社団法人「あすには」の井田奈穂代表理事と京都在住者、「結婚の自由をすべての人に」訴訟関西原告の坂田麻智さん、坂田テレサさんら。8月に発表された「第7回家庭動向調査」で選択的夫婦別姓に「賛成」は30代以下で7割超、「同性婚を法律で認めるべき」は75%が賛成していることを紹介し、「法制化に向け、知事からも声を上げてほしい」と求めました。

 「あすには」は、2025年までに選択的夫婦別姓の法制化をはじめ、誰もが自分らしく暮らせるジェンダー平等社会の実現を目指す団体で、結成後の全国自治体キャラバンを京都からスタートさせました。

 会見で井田代表は、男女の賃金格差や骨抜きにされたLGBT理解増進法を例に、宗教右派らによる揺り戻しなどを背景にした日本のジェンダー平等の遅れを指摘。夫婦別姓や同性での婚姻を認めないのは人権問題であり、「ジェンダー平等社会の第一歩として選択的夫婦別姓と、同時に同性であっても愛する人と家庭がつくれる同性婚の法制化を実現したい」と話しました。

 「あすには」チーム関西の北村英之さんが、選択的夫婦別姓に関する陳情や意見書に対する京都府内の地方議会での動向を報告。田中めぐみさんが今後の取り組みなど紹介しました。

「幸せになる人が増えるメリットしかない」

 坂田麻智さんは、「法制化は幸せになる人が増えるメリットしかない。別姓、同性婚をセットで早く進めてほしい」と訴えました。

 立命館大学の二宮周平名誉教授は、愛知県知事が提言している婚姻に準じる新制度の限界を指摘し、当事者が望む選択的夫婦別姓と同性婚の法制化を主張しました。