日本共産党京丹後市議団
日本共産党京丹後市議団。(左から)松本なおき、橋本まり子、平林ちえみ、田中くにおの各氏

 京丹後市議選(定数20、2減)が4月26日投票(19日告示)で行われます。立候補を表明している日本共産党議員団の田中くにお(68)、平林ちえみ(67)、橋本まり子(61)、松本なおき(63)の実績を2回に分けて紹介します。1回目は、「住民の願いを取り上げ、粘り強く奮闘」する中で実現した施策です。

子ども医療費無料化 高校卒業まで拡充

 平林議員は、市町村合併時には就学前までだった子どもの医療費無料化の拡充を、毎議会で迫ってきました。その原動力は、2004年に市議となった直後に地域で行ったアンケートに「お金の心配なく病院に行けるように」という声が多く寄せられたことです。

 この願いに応えたいと要求し続ける中で、通院について04年に小学校卒業まで(13年に現物給付)、07年に中学校卒業(同)まで、17年から高校卒業(償還払い)までに拡充しました。

 「高卒まで」の条例改定案が提出された17年3月定例会では、一部議員が難色を示し、実現に暗雲が。この事態に、新婦人丹後支部のメンバーらが全議員を訪問し、賛成を要請。平林議員は改定への賛成討論で、「必要とされる制度。市民の期待の声もある」と実現を迫りました。

 弥栄町で小中学生3人を育てる母親(30代)は、「子どもは部活でけがもするし、カゼも引くので病院にはよく通う。無料化が充実してきたことはありがたいし、頑張ってきた平林さんには、これからも子育て世代の応援のために頑張ってほしい」と期待を寄せます。

有害鳥獣の防護柵 地元負担ゼロへ奮闘

 コメ作りを行う農業者でもある田中議員は、中小農家の実情と苦労を知り、心を寄せてきました。その中で、農作物の有害鳥獣被害を防ぐ防護柵の資材費3割の地元負担を無くすため奮闘してきました。

 地元負担は、地域の農家グループなどが負担するもの。09年度から地元負担が無くなっていましたが、17年度から国の補助金の減額を理由に再導入されており、17年~19年度の負担総額は2350万円となっています。

 田中議員は、17年12月定例会で「国に対して予算要望をする。あるいは市の支援はどうしても必要」と迫り、農林水産部長が支援は「今後の検討課題」と答弁。今年3月定例会で同市は、負担無しに向けて調整を図る意向を示しました。

 また、田中議員は、中小農家や後継者の支援など同市の基幹産業である一次産業振興を一貫して要求。久美浜町で農業を営む白岩美芳さん(73)は、「私の地域は地元負担の無い時期に柵を設置したが、農家の置かれた厳しい状況を考えれば、3割負担ではできなかったと思う。今後も農家の現状を知り、声を届ける議員が必要です」と訴えます。

「医療的ケア児童」 受け入れへ尽力

 松本議員は、地域の住民の願いを直接聞いて回り、議会に届けることに奮闘してきました。網野町の保育所・幼稚園3施設の統廃合をめぐっては、対象の各園を訪問し、要望を聞きました。

 こうした活動の中、同市の認定子ども園で、生活の中で人工呼吸器などが必要な「医療的ケア児」の受け入れ体制がないもと、入所を希望する保護者から相談を受けました。その声を受け、19年9月定例会で、医療的ケア児の受け入れに必要な体制づくりなどの対応を要求。教育長から「可能な限り、受け入れるようにしたい」との答弁を引き出しました。

 今年度予算には、受け入れに必要な看護師・保育士を配置するための費用が計上されましたが、看護師の確保が課題となっています。松本議員は、「実際の受け入れまでがゴール」と語ります。

 保育所統廃合問題で松本議員とつながりを持ち、一緒に入所希望者の相談に乗った元保育士の女性は、「松本さんは、当事者の声を聞き、『一人もとりこぼさない』とともに同じ思いで頑張ってくれた」と話します。

エアコン 小中学校全教室設置へ

 橋本議員は、中学校教諭としての経験をもとに、よりよい教育環境を保障することを訴えてくる中で、全小中学校普通教室へのエアコン設置を実現しました。

 設置へ向け、初当選直後の12年6月定例会では、教諭時代に子どもたちと計測した夏場の教室温度が37・5度にも達することを示し、全小・中学校への設置を要求するとともに、設置計画を示すよう求めました。これに対し、同市は順次設置したいという意向を示していました。

 設置は、18年度までに完了しましたが、橋本議員は、「まだ100%ではない。特別教室が残っている」(19年9月定例会)と求めています。また、平林議員とともに要求した就学援助の入学準備金の前倒し支給は18年度から実現しています。次は、学校のトイレ洋式化の早期完了に向け、奮闘しています。

 久美浜町に住む小学生3人の母親(40代)は、「上の子はエアコンがついて授業に集中できるようになった。教育費の負担軽減などさらに期待したい。応援しています」と話していました。

有害鳥獣の防護柵で地元負担ゼロへ期待を寄せる市内の農家