北陸新幹線

 大激戦・大接戦となっている京都市長選(2月2日投票)で、政策論戦を放棄し、「反共」宣伝を前面にする現職・門川陣営は、その一方で、重要争点に関わって有権者を惑わす“フェイク”発言を行っています。

 京都府内を縦断し、京都市内中心部は地下40㍍以深の大深度地下を通過する構想の北陸新幹線延伸計画。政府が2兆1000億円と試算する建設費について、門川氏を推薦する自民党の西田昌司参院議員は「費用は全額国が負担する」などと、京都市の地元負担がないかのような主張を行っています。

 西田氏は、1月19日に山科区内での演説会で、北陸新幹線延伸について、「今まで新幹線は地元が3分の1負担しないといけないとなっていたが、それを全額国でやらすとした。党の中で協議している」などと述べました。

 整備新幹線の建設費について、国土交通省はJRが支払う貸付料(新幹線の施設使用料)を除いた額の内、3分の2を国が、残り3分の1を地元自治体が負担する仕組みをとっています。同省鉄道局幹線鉄道課の担当者は、「国が全額負担するという議論は国土交通省の中では行われていない」と述べ、西田氏の主張を否定しました。

京都市「地方負担、見通し立てられない」けど推進

 そもそも、北陸新幹線の整備にあたっては、長野、新潟、富山、石川の4県で5803億円、金沢~敦賀間を建設中の石川、福井両県で3900億円が地元負担になっています(予算ベースの試算)。同様の枠組みなら、京都府の負担は2000~3000億円が見込まれます。新幹線新駅が設置されることで「利益を受ける」京都市にも一定の負担が想定されますが、「(地方負担額について)現時点において、見通しが立てられない状況」(京都市のホームページ)です。いずれにしても、市民にまともな説明抜きに巨大開発を推し進めようとする姿勢は無責任です。