京都市の児童館や学童クラブの職員らでつくる労働組合との団体交渉に応じるよう命じた京都府労働委員会の命令に市が従わないのは違法として、組合が市に損害賠償を求めた訴訟の差し戻し審で、京都地裁(秋武郁代裁判長)は3月17日、30万円の支払いを命じる勝訴判決を下しました。同日開かれた報告集会で組合員らは勝訴を喜び合いました。一方、府労委命令の取り消しを求めて市が提訴した裁判の控訴審が大阪高裁で審理中で、集会参加者は「控訴審でも勝利を」と誓いました。

 組合は全国福祉保育労働組合京都地方本部(京都地本)。市と京都地本は約30年間団交をしてきたにもかかわらず、市は2020年に突然、「市は職員らの使用者ではない」として団交を拒否。救済申し立てを受けた府労委は22年、一部の職員について市が使用者に当たると認め、団交に応じるよう命じました。

 今回の判決で、一部職員が所属する運営団体は市の委託費や補助金に依存し「賃金決定に市の強い影響力があった」として、「市は労働組合法の使用者に当たる」と認定。団交を拒否したことで「組合活動に支障を与えた」としました。

 差し戻し前の23年の京都地裁判決でも、市に30万円の支払いを命じていました。この時の判決では、30年間継続してきた団交が引き続き行われると期待することには「合理的理由がある」として、訴えを認めたものでした。昨年2月の大阪高裁判決は「市が使用者に当たるかの判断が必要」とし、審理を京都地裁に差し戻していました。

 市内で開かれた報告集会で、梶川憲・京都総評議長は「裁判を闘って、使用者性が明快に認められ、団交を拒否する市が断罪された。この闘いを財産としたい」と述べました。

 京都地本の学童保育・児童館支部の大西良武委員長があいさつし、支部のメンバーが次々と発言。「団交があったことで働き続けることができてきた。判決の価値は大きい」「団交が実現するまで頑張っていきたい。これからも支援をお願いしたい」と呼びかけました。

 府労委の命令を巡っては、市が取り消しを求める訴訟を起こしましたが、昨年7月の一審では市の請求は棄却。市は控訴し、現在、大阪高裁で審理中です。市は今回の損害賠償訴訟について、命令取り消し訴訟が係争中として控訴する方針を明らかにしています。京都地本も控訴することを決めています。