行政代執行により撤去されるブロック塀

 京都市北区原谷地域の住宅地すぐそばに多数の廃屋が放置されてきた問題で、市は3月16日から、うち1棟の敷地内に違法に積み上げられていた危険なブロック塀について、盛土規制法に基づき、行政代執行による強制撤去を始めています。地元住民の繰り返しの要望や日本共産党などの市議会での追及が実りました。

 ブロック塀の上には、40年ほど前から違法に建てられた建物が立地。住民の要請や議会での追及を受け、市は昨年1月、事実上の土地所有者に除却命令を出し、同6月までには建物は撤去されました。ところが、高さ6・5㍍、幅13㍍ほどのブロック塀は放置され、直下にある民家側に崩れ落ちかねない危険な状態のままとなっていました。

 そのため、市はようやく重い腰を上げ、行政代執行に着手しました。工事期間は今年9月までの半年間で費用は約3700万円を見込んでいます。

 大北山原谷乾町の山麓一帯は、建築が原則禁止されている市街化調整区域。1980年頃から違法建築やごみの不法投棄が始まったにもかかわらず、市は長年、放置。その結果、土砂崩れや廃屋のトタンが風にあおられて民家に落下するなどの問題を引き起こしてきました。現在、約20棟の廃屋が放置され、多数のごみが山積みとなっています。

 地元住民らは一昨年6月、「原谷の環境を守る会」を発足。町内会や自治連合会もそれぞれ、市や市議会に廃屋やごみの撤去を要請しました。日本共産党や自民党が市議会で対策を要求してきました。

 市はようやく一帯の調査とともに、建物や土地の所有者に指導を実施し、今回とは別の2棟で解体が進んでいます。

 「会」の代表の吉田典夫さんは「今回の代執行は一歩前進したに過ぎず、問題解決ではない。違法建築をした側だけでなく、それを黙認してきた市の責任も大きい。引き続き手を緩めず、残りの廃屋やごみの撤去を求めていきたい」と話しています。

ブロック塀の上にある敷地前で行政代執行を行うと宣言する市職員(3月16日、京都市北区原谷)