「差別は許さない」などのプラカードを掲げて抗議する市民が駆け付けた参政党・神谷氏の街頭演説(7月17日午前11時15分、JR二条駅前)

「差別を許さない」「排外主義とデマ拡散を監視中」抗議する市民も多数

 排外主義を掲げる参政党の神谷宗幣代表が17日に京都入りし、JR二条駅前(京都市中京区)で参院京都選挙区候補とともに街頭で訴えました。現場には「差別を許さない」「排外主義とデマ拡散を監視中」などのプラカードを掲げて抗議する市民も多数駆け付けました。神谷代表は「外国人差別」はしていないと主張しましたが、曖昧な情報をもとに外国人や抗議する人々を「敵視」するような言動を振りまきました。

 同党の参院選公約と「日本人ファースト」というスローガンは、外国人を敵視する排外主義だと批判を浴びています。神谷氏は、「日本人と外国人を同じルールのもとにちゃんと枠をはめましょうと言ってるだけ」だとして差別ではないと主張。しかし、その理由としたのは「祇園のほうはみんな外国の人に土地買われてるって話も不動産屋から聞きましたよ」という曖昧な情報をもとにした「じゃあ税金ちゃんと払っもらってるかというとですね、ちゃんと取れてないんですよ」というものでした。

 外国人労働者について、現在でも厳しい労働環境が原因で年間1万人が「逃げ出し」ているとし、「そのまま潜って、かわいそうに犯罪組織とかに入っちゃう人もいる」と述べ、外国人と治安悪化を結びつけました。

 また、抗議する市民について、「なんかこうロゴを持ってるでしょ。このロゴを持って活動してる人たちはね、共産党とか社民党とかとつながってるんですよ。立憲民主党とかと」と一方的に断定し、「参政党はね、こういう選挙妨害を取り締まったり、もしくはその裏に海外勢力とかの資金があるんだったらそれを取り締まるスパイ防止法をつくりたい」と主張。演説の中で言論の自由は認めるとしていましたが、言論を規制する法整備の主張を展開しました。

憲法案「素人がつくったんですよ」、取りまとめは弁護士

 同党が、「一から新しい憲法をつくる」として示している「憲法案」に多くの批判が寄せられていることにも「反論」。識者らが「国民主権」が明記されていないことや、国民の権利保障の規定がほとんどないと指摘していることについて、神谷氏は、憲法案が法律の知識を持たない党員の「思い」を形にしたものであり、「素人でつくったんですよ。そしたら憲法学者とかが、こんなろくでもない憲法をつくりやがってと言うわけですよ」と弁明。

 しかし、同案を取りまとめた「創憲チーム」の責任者は、京都市の弁護士で、同党の参院比例候補。政党として憲法案を示しながら、「党員の思いを示しただけ」という主張は無責任です。

選択的夫婦別姓、世論調査で賛成多数も「多くの国民が反対」

 選択的夫婦別姓の導入については、多くの国民が反対しているとし、導入を求めているのは「一部のイデオロギーの偏った政治家」だと決めつけ。しかし、共同通信社が今年1月25日、26日に実施した全国電話世論調査では、選択的夫婦別姓制度の導入について、賛成が59.4%、反対が32.7%でした。また、毎日新聞の世論調査(今年5月17、18日)でも、「賛成」38%、「反対」23%と賛成が上回っています。