【参院選2025】被爆80年、核廃絶に各党の態度は/日本共産党「『核抑止力』論抜け出し核兵器禁止条約に参加する政府つくる」
公約に「拡大抑止」「核共有」 参政候補は「核武装が一番安上り」
核兵器廃絶を訴えてきた日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が昨年、ノーベル平和賞を受賞し、今年は広島、長崎での被爆80年の節目の年となるもとで、7月20日投票の参院選では各党が核兵器廃絶にどう取り組むのかが問われています。ところが、自民党などは米国の「核抑止」に固執し、核兵器禁止条約の署名・批准を拒否する一方、参政党の候補者は「核武装は最も安上り」と発言するなど、被爆者の核廃絶の願いと長年の努力を踏みにじる姿勢を示しています。
共産、れいわ、社民の各党は核兵器禁止条約批准を公約に掲げています。共産党はさらに踏み込んで「非核三原則」の厳守・法制化など、「非核の日本」に進むための実効ある措置を求めています。
他党の公約では、自民党は「核兵器のない世界」を目指すとしながらも、核禁条約については言及せず。それどころか、石破政権は米国の「核の傘」への依存を一層強めています。 石破首相は首相就任前、米シンクタンクへの寄稿で米軍との「核共有」を主張。「(日本国内への)核の持ち込み」を掲げました。また、今年3月の第3回核兵器禁止条約締約国会議に、日本政府としてオブザーバー参加せず、自民党議員の派遣も行いませんでした。
公明党は、核兵器禁止条約締約国会議へのオブザーバー参加を公約しますが、核禁条約への参加をどうするかは示していません。
一方、維新は「核共有」を主張。「防御・反撃・制裁に関する手続きを日米間で確認し、抑止力の実効性を高める」と、核報復の手順までの米国と共有するとしています。
国民民主も、「拡大抑止の実効性確保」を掲げ、日米拡大抑止協議を「局長級」に格上げすると提案。過去には核共有も主張していました。
参政党は、2023年5月の「政策カタログ」には「核戦略」を明記。さらに、東京選挙区に出馬している参政党公認候補が、今月3日に配信された日本テレビのインターネット番組「日テレNEWS」で、「核武装が最も安上がり」と発言。参政党としても核の保有を含めた防衛力の構築を考えていると述べました。
各党の公約や言動をついて、原水爆禁止京都協議会の平信行事務局次長は、「世論調査では、7割が核兵器禁止条約の参加を求めているという結果もある。憲法、非核三原則があり、さらには核兵器不拡散条約も批准している。これらを最も順守すべき政治家が『核抑止』や『核共有』、さらには核武装まで軽々しく発言するなど到底許されるものではない。どの党が核兵器廃絶の願いに応えられるのか、見極めてほしい」と訴えます。