京滋地区私立大学教職員組合連合はこのほど、2023年に京都の私立大学に入学した下宿生の保護者アンケート結果を発表しました。受験料や授業料、下宿代など初年度にかかる費用は約294万円となり、保護者収入の4割近くとなることが分かりました。学生の1日当たりの生活費は1000円以下で、アルバイトで生活費を稼ぐことを余儀なくされている実態も明らかになってます。

 調査では、受験料や授業料、入学金、家賃(4月~12月)、仕送りなど、下宿生の入学年にかかる費用は、前年から8万1647円増の294万5172円。下宿生の保護者の平均年収は、807万1379円で、年収の36.5%を占める結果となっています。特に初年度納付金が前年よりも12万円以上あがっています。

 学費などの準備のために「一部借入」は25%、「全額借入」した人は8%で、3人に1人が借金をしていました。

 保護者からは「物価は上がっているが、学費はそれを上回る」「給付型奨学金を充実させてほしい」「有利子貸与型奨学金を利用することになったが、卒業後に借金を背負い、返済していく不安が大きい」などの声が寄せられました。

 奨学金について、「申請する予定」との回答は、47.3%で前年よりも5.6ポイント増えています。

 その一方で、奨学金の借り入れを控える傾向もあります。申請していない理由のトップは「奨学金返済義務があるため」27.8%、次いで「家計でやり繰りする」31%でした。

 新入生の保護者の7割が教育費のために積み立てをしてきたと回答。積み立ての開始年齢は平均で1.3歳、毎月1万5560円を積み立てていました。

下宿の生活費1日778円 アルバイトが必須に

 学生生活の面では、6月の仕送り額は、8万982円で前年から2210円増えたものの、家賃(平均5万7641円)を差し引くと、2万3341円で、1日当たり778円で生活を送ることになり、アルバイトが必須となる状況です。

 同連合の佐々木江志書記長は「教育費負担が年々重くなっている。

 1日の生活費が1000円を下回るのは8年連続です。学業よりもアルバイトが大変だとの話も聞きます。給付制奨学金の充実とともに、ヨーロッパ並みに学費の無償化で、保護者負担軽減が喫緊の課題です」と話しています。

 調査は、京都橘大学、同志社大学、立命館大学、龍谷大学京都先端科学大学に通学する保護者543人からのWebアンケート。今年で36回目。