報告する(左から)蔵田、江本、山根の各議員と司会の森田由美子議員

 京都市教育委員会が、全員制中学校給食の実施方式で全員分2万6000食を市内1カ所の巨大工場でつくる方針を提示している問題で、見直しを求める住民運動と日本共産党の議会論戦が市教委を追い詰めつつあることを受け、同市議団は4月15日、緊急報告会を市内で開催しました。

 同方針が昨年11月に発表されて以降、巨大センター方式反対の署名が1万1000人分を超えて集まるなど、運動の急速な広がりと市議団の論戦によって、市教委の答弁や他党議員の発言にも変化が生じてきました。報告会は論戦の変化を報告するため開かれ、Zoom視聴も含め参加者は会場いっぱいの約170人となりました。

 山根智史議員が、他党議員や市教委の発言について報告。3月19日の市議会文教はぐくみ委員会で、市教委は「(1カ所で)全部やり切るのか、あるいは何らかの代替策を含めるか、早急に決めていく必要がある」と見直しもありうることを示唆しました。

「センターもう1カ所必要の議論も」「30分以上かかる7000食は別で」与党会派も「見直し」に言及

 また、他党議員からは、巨大センター方式に賛成する自民党も「学校現場の声や、場合によってはサテライトの場所が提供できるなら、頭から否定せず、そうした可能性も含めて考え(てはどうか)」「センターがもう1 ヵ所必要という議論出てくる可能性(もある)」などと発言。維新の議員も「(搬送に)30 分以上かかる7000 食は別で考えるべき」「場所によっては自校・親子(方式も)」などと述べたことを紹介し、「1カ所の巨大センター方式では、食中毒などのリスクが高すぎることから、与党会派からも見直しの提案をせざるを得なくなっている」と強調しました。

 江本佳世子議員は共産党議員の論戦を報告。当初から、「コスト重視」により巨大センター方式となったことを批判するとともに、食育、安全面で多くのリスクがあることを繰り返し追及してきたことを紹介しました。その上で、「何のために給食を実施するのか。子どもたちの心身の成長を図るためだ。この原点に立って給食を実施するよう引き続き追及していく」と訴えました。

 蔵田共子議員は、巨大工場の予定地となっている東吉祥院公園(京都市南区)について、3月の都市計画審議会で都市計画を廃止する案が賛成多数で承認されたことを報告しました。共産党委員3人の他に有識者1人が同案に反対したことを上げ、「有識者が議案に反対するのは画期的なことで、これも運動の成果だ」と述べました。

 参加者が次々と発言。「小学校のような全員制の中学校給食をめざす連絡会」の代表は「改めて学校調理での実施を求める要望署名を広げ、さらに大きな運動としていく」と述べた他、「今度こそ温かい小学校のような給食を」「今巨大センター方式を止めなければ将来に禍根を残す」「全市でのいっせい宣伝を」などと訴えました。

 閉会のあいさつをした西野佐知子議員団長は「巨大給食工場を中止に追い込むため、さらに全市で運動を広げて行こう。ご一緒に議員団は頑張っていく」と述べました。