記者会見する「府大学生有志の会」メンバーら(11月8日、府庁)

 府が京都市左京区の「北山エリア」で計画している府立大学の共同体育館(アリーナ)整備について、住民団体や府立大の学生らが8日、西脇隆俊府知事に対し、巨大アリーナ建設を中止し、老朽化した体育館を早期に建て直すことを求めて要望書を提出しました。

 提出したのは、「北山エリアを考える府大学生有志の会」や「なからぎの森の会」などの5団体。要望書とともに、北山エリア整備基本計画の見直しを求める署名約6000人分を提出(第7次)し、署名は累計で16万1000人超となっています。

 府は当初の整備基本計画(20年策定)では1万人規模のアリーナを府立大に建設するとしていましたが、4月の有識者会議では学生ワークショップの意見をもとに観客席2000人規模の案を示しています。

 要望書では、府立大での巨大アリーナ計画は中止し、老朽化した体育館や校舎を学生規模に見合った施設として急いで建て直すことなどを求めています。

 申し入れで、学生や府立大の教員らは1970年に建設された現在の体育館は耐震基準を大きく下回っているために授業で使用できずにいることなどをあげ、「体育館や校舎が老朽化している。いつ地震がくるのかと不安。アリーナ建設はやめ、すぐに学生用の体育館を建て直してほしい」と求めました。府の担当者は「検討を続けている」などと繰り返しました。

 参加者は、「5月に申し入れたときと同じ回答。何も進んでいないのではないか」「府立大のアリーナ計画は中止だと表明すべき」「耐震化こそ急ぐべきだ」と強調しました。