父である谷さんに捧げた曲「人生のエピローグ」を熱唱する浜秋律子さん

 人形劇団京芸の創設者で、昨年10月に96歳で他界するまで、同劇団代表を務めた谷ひろしさんをしのぶ会が10月1日、宇治市の同劇団けいこ場で行われ、100人を超える参加者が訪れました。

 会場には、「モモ」など谷さんが制作した人形が展示されました。午前の部では、清水正年代表が開会あいさつ。経済的な困難な中でも、全国を公演で巡り、明るく劇団を支えてきたことなどを紹介しました。

 元劇団員や、人形劇の指導を受けた人々が谷さんの思い出を紹介。谷さんの舞台写真や映像が映し出されるとともに、谷さんの台詞などの録音も流され、相手のふところに入り込む味のある話芸と生きているように人形をあやつる技で観客の心をつかんできた様子を改めて振り返りました。

 長女の浜秋律子さんが、父を思って作った曲「人生のエピローグ」を長年活動してきたバンドメンバーの演奏をバックに熱唱。

 長男の大谷民人さんは、谷さんの出征時や、戦後に平和を求めて島津製作所で組合活動を続け、レッドパージされた逸話などを紹介し、「父は平和であればこそ人形劇ができると言ってきた。戦争のない世の中であり続け、人形劇団京芸を支えてほしい」と語りました。

 谷さんはレッドパージで島津製作所を追われ、49年、京都芸術劇場(京芸)創立に参加。60年に人形劇団京芸が独立した際に代表者に就任しました。

 舞台美術、人形美術、映画美術、人形劇の制作・演出を手がけ、役者として舞台にも立ちました。八坂神社の祇園祭「鷺舞(さぎまい)」の衣装や、平安神宮節分祭の「鬼舞」の仮面・甲冑(かっちゅう)の制作など活動は多岐に渡りました。

会場に展示された谷さんが手掛けた人形たち