あいさつする梶川議長(9月2日、京都市中京区)

京都市長選勝利で「自治の力よみがえらせる流れつくろう」

 京都総評(梶川憲議長)は9月2日、第95回定期大会を京都市中京区のラボール京都で開き、▽大幅賃上げ▽組織の拡大・強化▽公共の力の拡充▽労働市場改革阻止▽大軍拡・大増税阻止─の5つを重点課題とする23年度の運動方針を採択し、新役員を選出しました。

 開会あいさつで梶川議長は、そごう・西武労組のストライキ決行や、23春闘の中で組合員を10倍化した京都の産別労組の経験を例に「労働組合の出番」の情勢だと指摘。▽物価高騰を上回る大幅賃上げ▽公共の役割を再生する▽平和と命を守る─たたかいは岐路にあるとして、前進を呼びかけました。

 公共の役割を発揮する自治体づくりのなかで、半年後に迫った京都市長選についてふれ、福山和人弁護士の出馬の決意を歓迎。職員や福祉施策を削る現市政の「行財政改革計画」の継承ではなく、給食費無償化や公契約条例実現など、「自治の力をよみがえらせる流れを京都からつくろう」と市政転換を訴えました。

 柳生剛志事務局長が23春闘の到達と運動方針案について報告。京都では、ストを含めた奮闘でベースアップを勝ち取った組合が昨年から21増の35組合、5ケタの増額も12組合に達した一方で、ケアに関わる単産・単組で定期昇給にとどまった現状を紹介しました。秋季年末闘争では、京都市長選挙の取り組みを加えた具体的提案のほか、労働組合の団結の重要性を強調しました。

 大会は4年ぶりに通常の形式での開催で、自由法曹団京都支部の福山和人幹事長、全労連の黒澤幸一事務局長、日本共産党の倉林明子参院議員、新社会党京都府本部の駒井高之書記長が来賓としてあいさつ。

 福山氏は、幸福度が高い北欧での労組の力関係や、軍隊や裁判官にも労組があるドイツを例に民主主義や暮らし、平和を守る労組の役割を強調し、労働運動を激励。また、個人として、京都市長選に再び出馬する決意を表明し、「一緒に新しい市政を実現しよう」と呼びかけました。

 倉林議員は、米国いいなりで大軍拡、財界いいなりでマイナカードの保険証との一体化を進める岸田政権を批判。「岸田政権を退陣へ追い込むため力を合わせよう」と述べました。

 大会で選出された役員は次の通り(敬称略、新以外は再任)。議長=梶川憲▽副議長=池田真人、奥井正美、海藤巳希子(新)、酒井仁巳、中野宏之、福島功、山本善五郎、吉岡勝▽事務局長=柳生剛志。