京都地方最低賃金審議会が8月10日、2023年度の京都府の最低賃金を時間額40円増の1008円に改定する答申を決めたことを受けて、京都総評は同日、柳生剛志事務局長の談話を発表しました。

 談話では、「最低賃金1500円以上への引き上げと中小企業支援策の抜本改善を求める請願」署名を1万人分以上、同審議会に対して提出したにもかかわらず、答申が中央最低賃金審議会が示した目安の枠(40円)を超えなかったことを「極めて不十分」と指摘し、異議申出を行うとしています。

答申が財源確保含めた中小企業支援策を政府に要求

 なお、答申が中小企業支援施策について、「運用面等、各地域の自主性に任せるのではなく、その財源の確保も含め、国をあげて検討、実行する必要がある」と明記し、中小企業への抜本的支援策を政府に要求した点と、「年収の壁問題の本質的な改正」に言及したことを重要だと評価。京都総評として、ジェンダー差別の解消や自立できる賃金の実現の観点での制度設計と対策を求めると表明しています。

 その上で、京都で普通に暮らすには時給1500円以上が必要で、労働者の生活改善及び地域経済活性化にとって最低賃金の果たす役割がいっそう求められていると述べ、「引き続き、時給1500円以上の実現と全国一律の制度とすることを求めていくものである」と結んでいます。