2017年の調査の様子 提供:木立雅朗立命館大学教授提供

 京都市東山区に現存する登り窯「旧藤平窯」跡の8回目となる発掘調査が8月17日から始まりました(「旧藤平登り窯に学ぶ市民の会」主催)。立命館大学の木立雅朗教授(窯業考古学)を中心とする共同研究チームが調査しており、9月3日から12月3日まで5回の現地説明会が行われる予定です。

 旧藤平窯は、長さ15㍍、幅4.8㍍。斜面に沿って9室に分かれて造られた現存する登り窯では最大級です。40年前に窯の火は消えたものの、今も残る登り窯の姿を画像記録で正確に残そうと、2006年から調査が行われてきました。発掘では、3D撮影で立体的な映像を撮り、記録と共に記憶を残したいと取り組んでいます。

 五条坂周辺には、最盛期の明治期には20を超す登り窯がありましたが、60年代から徐々に衰退。煤煙による公害や薪の不足などから、80年には京都陶磁器協同組合の登り窯を最後に窯の火は消えました。17年まで、かつての登り窯が6基残っていましたが、2基がホテル建設でなくなりました。木立氏は「五条坂、清水焼を象徴する文化遺産として、登り窯を残していく意義は大いにある」と話します。

 日程は▽9月3日▽10月15日▽11月5日▽同12日▽12月3日。時間は午後1時半から。参加費500円。先着30人。要申し込み。問い合わせ℡075・441・1141、メールsano@kyotokenchiku.ac.jp(京都建築専門学校・さの)。

【追記】当初、参加費を「5000円」としていましたが、正しくは「500円」です(2022年8月30日午前10時55分)