京都民報1985年新年号1面に掲載された、「宇治久世バンド」。左端のキーボード奏者がかじかわさん。ドラムを叩くのが廣岡さん

 「梶やん」ことかじかわさんとは、宇治久世教組青年部のメンバーでつくる宇治久世教職員組合付属バンド(「宇治久世バンド」)で一緒に活動しました。

 1983年の組合教研集会の際、かじかわさんら楽器好きの仲間と「バンドをつくろう」と結成しました。新採歓迎集会、教研集会など各種集会で演奏し、85年には「京都民報」新年号の1面に写真が掲載されました。

 それ以前にも、かじかわさんが合唱のピアノ伴奏をしているのを聞いて、「うまいな」と思っていました。曲が盛り上がれば力強く、静かに歌うときには優しく寄り添う。歌を良く聞き、状況に応じてアレンジする弾き方です。バンドで新しい曲を演奏するときは、大まかな意図を伝えるだけで、おまかせでやってくれました。

 音楽上もそうですが、バンド運営でもサービス精神が旺盛で、ダジャレや冗談を飛ばしてみんなを笑わせてくれるムードメーカーでした。しかし、締めるところはしめ、細かなところにも気がついて動いてくれる若いのに頼りになる存在でした。

「いつか知事選に立候補する人や」

 京都教職員組合(京教組)の専従になるときにメンバーの一人が「いつか知事選挙に立候補する人や」と言っていたことが現実になりました。

 京教組に行ってかじかわさんの顔付きは精悍になりました。組合員を守るために音楽を封印したのではないかと思います。

 かじかわさんには、生活に苦しむ多様な府民の声を聞いて、府民の良き伴奏者のような知事になってほしいと思います。

廣岡さん