完全勝利を誓い、こぶしを固める参加者ら

 厚労相が協議の場の設置指示「たたかいが政治動かす」

 全京都建築労働組合は3月7日、関西建設アスベスト京都訴訟での「全員救済」「完全勝利」をめざす「『原告は代表選手』京建労決起集会」を京都市南区の京都テルサで開きました。

 最高裁決定で、国の責任と建材企業の共同不法行為責任を確定させた建設アスベスト京都1陣訴訟のたたかいを確信にすると同時に、最高裁上告審の弁論(22日)に挑む原告の激励、2陣訴訟の早期解決をめざして、奮闘を誓い合いました。

 建設アスベスト訴訟全国連絡会の清水謙一事務局長が、東京、京都、大阪の各1陣の最高裁決定の各内容と政治の動きについて報告。最高裁決定を受けて、厚労大臣が訴訟の早期和解と被害者救済について協議の場の設置を指示し、自民・公明与党が建設アスベスト問題でのプロジェクトチーム(PT)を立ち上げたことにふれ、「全国のたたかいが政治を動かし始めている。全面解決に向け、最後まで一丸となって頑張ろう」と訴えました。

 弁護団事務局長の福山和人弁護士は、最高裁の弁論について解説し、高裁で認めた屋外労働者(故・木村正男原告)への国と企業の責任を、最高裁が見直す可能性があると指摘。海外では石綿の暴露被害を屋内と屋外で切り離す判断はないと述べ、「新たな資料も示し、屋外工への責任を認めさせる弁論を押し出す」と力を込めました。

 京建労の酒井仁巳書記長が、組合として果たしている役割について基調報告。「一日も早い全面解決へ、正念場の情勢。世論をいっそう盛り上げよう」と新ポスターの掲示、「基金制度創設」を求める地方議会へ意見書運動を呼びかけました。

 22日の上告審の弁論に向け激励を受けた、遺族の木村慶子さんは、原告としての夫の人生を振り返り「切り捨てられてたまるものか。最高裁で心の底から魂を込めて訴える」と決意を表明。村山晃弁護団長も、「中皮腫はアスベストのばく露が原因。屋内外に問わず全員救済に目を向けるべきと訴え、力を尽くす」と述べました。

 1陣、2陣の原告らが紹介され、最後までの支援を訴えました。

 集会には与野党の国会議員がメッセージを寄せ、来賓として、日本共産党の穀田恵二国対委員長・衆院議員、自民党の繁本護衆院議員が参加しました。穀田氏は、「被害者全員救済、補償基金制度の創設に、超党派で取り組む」と激励しました。

激励旗を受け取る原告団の共同代表6人