福山和人弁護士

 京都府知事選、京都市長選の候補者として奮闘した福山和人弁護士は、1月23日に開かれた「宇治田原町政を刷新する会」の今西久美子候補の事務所開きに駆けつけ、あいさつ。町財政を分析し、「“バブリー”な予算で、汚職が起きた。もとをたたなきゃ駄目」と今西候補に町政刷新の期待を込めました。訴えの要旨を紹介します。

 今の町長さんは8年前に当選しはった際、開口一番に「町づくりはインフラが必要。速やかに進めていきたい」とハコモノ誘致を宣言しました。実際その後「大型積極予算で地方創生を!」と勇ましいスローガンを掲げ、当時年間予算(一般会計)が約40億円の町で、22億円かけて役場庁舎を移転新築し、その横に都市公園をつくるために9億円を費やしました。

 インフラ整備には必要なものもあるけど、宇治田原は他の市町村と比べて増え方が尋常やない。ものすごいバブリーなんです。現町長就任時の年間予算は37億円でしたが、今58億円。8年間で20億円も膨張する町って聞いたことない。1・6倍です。

 何が一番増えたかというと土木予算です。就任時約4億円だったのが、3倍の12億円になりました。予算だけでなく借金も増えました。借金の残高「町債現在高」が8年前に40億円やったのが今64億円になっています。町の人口が今約9000人ですから、赤ちゃんからお年寄りまで1人70万円の借金を抱えさせられているのが宇治田原町の財政状況です。

 こういうバブルのところに利権が生じ、汚いお金が流れ込んでくる。だからこそ今回汚職が起きました。もとを絶たなきゃ駄目なんじゃないでしょうか。

 その一方で減らされたものがあります。町は毎年予算を組むときに重点項目というのを立てます。今まで福祉や産業・観光の振興、教育とか言っていた。今の町長さんのもとで増えたのが「インフラ整備」。一方でなくなったのが「環境」。豊かな自然環境を犠牲にしてでもハコモノ誘致を進めたのが今の町長さん。

 そして今、福祉や暮らしに関わる予算を一律10%削減するというんでしょ。環境だけでなく、暮らしまでなくしてしまうのが今の町政の実情やないですか。これを本当に許していいのか。大型のハコモノと汚職と借金まみれの町政なのか、暮らしと福祉が潤う町政なのか、この選挙にかかっていると思います。みなさんに賢明な選択をしてもらいたいと思います。

 今西さんは全般的な政策を示されていますが、その一つを紹介します。町が第5次総合計画を立てるとき、住民のみなさんにアンケートを取ったなかで、最も満足度が低かったのが「通勤通学の利便性」。今西さん、今回の選挙を通じて高校生の通学バス代の全額補助を復活させ、町営バスを充実させると言われています。すばらしいじゃないですか。こういうスタンスの方にこそ、町政のかじ取りをみんなで任せようじゃありませんか。私も応援します。