近隣住民が騒音・悪臭の被害を訴え、公害調停を申し立てしている福知山市土師新町のパーム油発電所をめぐり、発電所を開設した三恵観光(本社・福知山市)が12月24日、地元自治会に発電所の廃止を通知しました。発電所は、2017年6月から稼働を開始し、今年3月からはメンテナンスのため停止していました。

 発電所は、最も近い住宅まで約40㍍の距離にあり、稼働開始直後から、騒音と油を焦がしたような悪臭が漂うとともに、発電機の始動・停止時には煙も排出されていました。近隣住民は、めまいや睡眠障害、ストレスによる体調不良などの健康被害や苦痛を受けたと訴え、対策を講じるよう地域を上げて求めてきました。今年7月には騒音・悪臭の対策や損害賠償を求めて京都府公害審査会に調停を申請しました。

 三恵観光は廃止の理由について、自治会への通知の中で、「新型コロナの影響によりグループ全体の事業の見直しを行った結果」と説明しています。

 「三恵パーム油発電所被害者の会」の三谷義臣会長は、「まずは一安心という気持ちですが、これで終わりではない。損害賠償を求めており、今後は弁護士と相談して対応していきたい。また、この間の福知山市の対応についても検証していきたい」と話しています。