京都市に「子どもの権利条例」を作ろうと呼びかけている「子どもの今と未来を考えるネットワーク」は11月23日、伏見区で「伏見のつどい」を開催し、保育園の園長や小学校教諭、保護者らが子どもたちの現状を報告。約50人が参加し、交流しました。

 同ネットは2017年9月、国連子どもの権利条約を保障するには「京都市子どもの権利条例」が必要として、発足。以来、専門家を交えたシンポを5回開催。今回は、より具体的な実態をつかもうと各行政区での集いの初回として企画しました。

 くりのみ保育園の市川佐規恵園長は、コロナの緊急事態宣言中に地域のNPO団体などと協力して、弁当を園児らに提供した取り組みを紹介。「協力いただいた皆さんは、何かできないかと考えておられ、思いは同じだった。少し先が見えた気がします」と話しました。小学校教諭の榎本知子さんは、理科の実験が始まり、体育でマスクを外せるようになる変化や運動会などの行事には制限があるものの、開会式での体操をダンスに変えたり、学年別で行うなど、工夫して進めている実態を語りました。

 小栗栖地域で、小学生約20人の「むりょう塾」に取り組む中村一重さんは、勉強以外にケーキ作りや平和学習に行くなどの取り組みを通じて、中学生になっても訪ねて来る子どももおり、居場所となっていると話しました。保護者の武村さかえさんは、6月からの学校再開で、新5年生のクラスが39人になり「密集」するとして、少人数学級のクラスを増やしてほしいと校長や教育委員会に要望書を提出した経過を報告。「先生を増やさないと子どもが大変になる。保護者にできることを考え、声を広げたい」と話しました。

 同ネットの呼びかけ人で京都華頂大学の藤井伸生教授が、子どもを真ん中にして、気の合う仲間やPTA、町内会など身近なところから声を上げ、思いをつないでいく事が重要だと述べ、「細かい問題も可視化し、行政に向けた市民要求としてつなげていこう」と呼びかけました。

 会場からは8人が発言。子どもたちの学校での様子や地域の諸団体との取り組み、京都市児童相談センターで相談が急増している実態などが語られました。