会見する保護者ら
藤井弁護士

 京都市の市営聚楽(じゅらく)保育所(中京区)で、来年度の新規入園が「未定」となっている問題で、市は12月16日の夜に突然、ホームページで、「1歳児と3歳児以外は受け入れない」と公表しました。入園拒否となった保護者らが同17日、市の決定に抗議し、受け入れを求めて、市役所内で記者会見しました。

 来年度の市の保育利用申し込みは11月30日に終了し、聚楽保育所では、0~4歳児までの計12人の入園申し込みがありました。ところが、市は申し込み終了後の12月7日、2022年度に予定していた民間移管が白紙になったことを理由に、受け入れ枠を「未定」としました。

 その後、16日になってホームページで、同保育所の受け入れ枠を1歳児で3人、3歳児で2人とし、0、2、4、5歳児は受け入れずにゼロと設定したことを発表。これにより、申し込みがあった内の7人が入園できないことになります。

 この日の記者会見には、入園を希望していた保護者や同保育所の保護者会役員ら3人と、京都保育運動連絡会副会長の藤井豊弁護士が参加しました。

 入園拒否となった保護者は「ホームページにアップされる30分ほど前に、市から電話で、『ホームページを見てほしい』との連絡を受けた。(説明は)それだけだった」「なぜうちの子だけが差別的な扱いを受けるのか、驚きと怒りしかない」と抗議。受け入れを行うよう求めました。

 保護者会役員は「民間移管をめぐっては、市は市議会で、『丁寧な説明を保護者にする』と答弁していたのに一切説明がない」「4月から、入園を前提に復職を予定している保護者もいる。なぜこの時期なのか」と市の対応を厳しく批判しました。

 藤井弁護士は「仮に民間移管先が決定していても、来年度は市営での運営が決まっている。市の対応は前例のない異常なもので、あまりにも乱暴だ」と強調。「保護者の申し込み後に、市に正当な理由がないのに受け入れを未定とし、さらに拒否することは行政権の乱用で違法」と指摘しました。

 市の幼保総合支援室は、今回の決定について「1歳児と3歳児は待機児童が出ることから、受け入れとした。それ以外は、第2希望以降の園との調整か、他の変更希望者と同様に、今月25日までに申し込み変更届を提出してほしい」などと話しています。