元新道小跡地(東山区)

 京都市東山区の元新道小学校跡地活用をめぐり、市はこのほど、宿泊施設の誘致などを提案していたNTT都市開発(東京都)を契約候補事業者に選定したと発表しました。門川市長の宿泊施設の新規参入「お断り」宣言(昨年11月)は、“看板倒れ”でしかなかったもの。学校跡地での宿泊施設誘致は今回で5校目です。

オフィス活用言いながら…

 市は7月、同校跡地活用の公募型プロポーザルで事業計画を募集しました。その際の募集要項(配布は4月)では、活用は原則オフィスやスタートアップ企業を中心とするものの、それ以外も可能としました。しかも、宿泊施設は、参入「お断り」としながら、「地域の活性化に貢献するものに限る」という条件付きで、事実上容認していました。

 応募したのは、同社1社のみで、地元自治連合会会長や有識者らによる「契約候補事業者選定委員会」での審査を経て、市は同社を事業者に選定しました。

 同社の提案では、元新道小跡地と道路を挟んで向かい合う宮川町歌舞練場を一体に再開発する計画です。

 学校跡地には、地域交流スペースや消防分団の詰め所など住民のための若干の設備が設けられるものの、大半は地上4階、地下2階、客室数89室の宿泊施設になります。そのため、歌舞練場敷地に、歌舞練場を新築するほか、独立した地域施設棟を設置。1階を児童館、2階を避難所兼多目的ホール、地下に自治会活動スペースを整備するとしました。

 貸付期間は60年間、貸付希望価格は年額1億791万円。総事業費は約200億円を見込んでいます。

 門川市長は、「お断り」宣言以降も、右京区の仁和寺門前の大規模ホテル計画を容認するなど、宿泊施設の誘致・拡充路線を進めてきました。学校跡地が宿泊施設となるのは、元新道小が5校目です。元清水小(東山区)、元立誠小(中京区)には既にホテルが開業し、元白川小(東山区)、元植柳小(下京区)で各工事が進められています。