100人の参加者を前に講演する冨田氏(10月3日、南区・響都ホール)

 憲法9条京都の会は10月3日、安倍政権下での改憲阻止を確信し、その先の憲法運動を展望しようと「9条京都のつどい2020」を京都市南区の龍谷大学響都ホールで開きました。

 感染症防止対策のため参加人数を100人までとし、つどいの様子はYouTubeで同時配信しました。

 関西学院大学の冨田宏治教授が「コロナ禍で明らかになった日本国憲法の価値 いまこそ野党連合政権を」と題して講演。全体会では、「日本国憲法を守る」のみならず、憲法を生かす政権の誕生も展望した「新たな段階」の憲法運動を進めることを提案しました。

 講師の冨田教授は、新型コロナウイルス感染拡大が、「人の尊厳、命の大切さ」を世界の人々にあらためて気づかせる状況をつくり、感染の収束には、格差と貧困、分断の解消が不可避であり、医療体制の脆弱(ぜいじゃく)さを招いた新自由主義の緊縮政策の見直しが必要だという認識を広げていると指摘。これらは、憲法の9条、25条(生存権の保障)、13条(個人の尊重)の各条項、前文に関わる内容であり、「コロナ禍で、憲法がますます輝きを増していることに確信を持とう」と述べました。

学術会議人事介入「政権の本質白日に」

 また、菅政権が、日本学術会議の人事に介入した問題に言及し、安倍政治を継承する“アベのままでスガ”という政権の体質を示したもので、「政府は、任命しなかった理由を説明できない。とことん追及し、菅政権の本質を白日の下にさらすことが大事」と話しました。

 一方で、希望のある変化として、核兵器禁止条約を批准する国が、今月にも発効に必要な50カ国に達する見込みであること、国内政治での野党共闘の進展について紹介し、選挙での投票行動につながる対話活動の重要性を指摘しました。

 全体会は、「京都の会」の奥野恒久事務局長(龍谷大学教授)が運動の報告と提案を行い、9条の今日的意義や新自由主義の問題などについての学習活動や宣伝・対話活動の重視と、11月3日の憲法集会(午後1時半、円山公園音楽堂)の成功を呼びかけました。