府立視覚障害者福祉センター(京都市左京区)

京都社保協「なんでも電話相談会」が力に

 京都府社会福祉事業団が運営する府立視力障害者福祉センター(京都市左京区)の寄宿舎で、学生らの生活指導や監督をする「舎監」で働く男性らが、労働組合に入り、休業補償を全額勝ち取りました。京都社会保障推進協議会(京都社保協)の相談会をきっかけに解決したもので、男性らは「労働組合に入り、解決できた。本当に嬉しい」と喜びの声を上げています。

 休業補償を勝ち取ったのは、舎監として働く男性3人。同センターでは、視力障害者らが、あん摩マッサージやはり師、きゅう師の国家資格を取得するため寄宿舎で生活(定員40人)しており、その支援の業務をしています。3人とも非正規で舎監業をメインに、ダブルワークをしながら生活しています。

 政府の「緊急事態宣言」にともない、4月13日から5月24日まで寄宿舎が利用できず舎監業務が中止になりました。当初、同事業団は夏季の勤務日数を増やすことを理由に、休業中の賃金を支払わないとしていました。

労働条件改善へ交渉を続けたい

 男性らは、5月に京都社保協などが行った「新型コロナウイルスなんでも電話相談会」に相談。そこから京都府職労連・京都府社会福祉事業団労働組合につながり、3人全員が労働組合に加入しました。7月29日に休業補償や労働条件改善などを求めて団体交渉し、雇用調整助成金を活用して休業中の賃金全額を支払うことや、休憩室に冷蔵庫を設置することなどが回答されました。

 交渉してきた舎監の男性(50代)は「宿直業務だけでなく、視力障害のある学生の支援のために資格を取るなど、それぞれ努力してきました」と語ります。学生が無くした物を探したり、文書の代読や代筆、洗濯などの日常生活の支援などを行ってきたといいます。「労働組合に入って、交渉の場を持つことで休業補償を受けられました。今後も休憩時間の確保やシャワーの利用などの要求を実現するために交渉していきたい」と話しています。