京都で香港と共に

 民主化を求める香港での抗議行動に連帯して、現状や課題などを学び交流するイベントが2月8、9の両日、京都市左京区の京都大学構内で開かれました。主催は、研究者や学生有志でつくるグループ「京都で香港と共に」。

 8日は、ドキュメンタリー映画「乱世忘備」上映の後、大学生で香港衆志(デモシスト)メンバーの周庭(アグネス・チョウ)さんと、京大生で「安保関連法に反対するママの会」を呼びかけた西郷南海子さんによるトークセッションが行われました。

 インターネット電話「スカイプ」を通じて企画に参加した周さんは、まず、抗議行動の現状について報告。香港政府に求めている▽犯罪容疑者の中国本土引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改定案の完全撤回▽デモを「暴動」と定義したことの撤回▽真の普通選挙の実現―など5つの要求のうち、実現したのは、「逃亡犯条例」改定案の撤回だけだと述べ、香港の市民が自ら政府を選ぶ民主主義のシステムを実現する運動が重要だと強調しました。

 西郷さんは、安倍政権による安保法制の成立強行以降、社会に直接アピールする行動から議会に自分たちの代表を送る活動を重視するようになったと述べ、周さんに、若者の行動参加が広がる香港での背景や要因などについて質問。これに周さんは、自身もSNSを介して社会運動に参加したことにふれ、「インターネットの影響力は大きい。雨傘運動以降、行動への参加が若者のトレンド(はやり)になっている」と答えました。

 そして、香港での運動の目標は民主主義の獲得だが、民主主義が万能だとは思っていないと指摘し、「それぞれ住んでいる国、町で起こっている不公平や不正義な出来事に関心を持ち、行動することが大事だと思う」と話しました。