倉林明子参院議員
倉林明子参院議員

  7月の参院選で、京都選挙区(改選数2)で再選(2期目)した倉林明子参院議員に、市民と野党の共闘を貫いた選挙戦を振り返りながら、改憲勢力を「3分の2」割れの状況に追い込んだことや今後の国会論戦などについて、決意と展望を聞きました。

保守の人が「入れたよ」

 ─当選後、どんな反応が寄せられていますか。

 バスや電車で移動中の時も、全く面識のない方から「良かったね」「おめでとう」と握手で歓迎され、驚いています。あいさつまわりでは、「保守」を自認する人から「今回は倉林さんに入れたよ」と、「告白」されることが何度もありました。本当にたくさんの人に喜ばれた勝利だと実感しています。

 国会では、ともに奮闘した党の仲間だけでなく、野党共闘で勝利した議員さんたちと喜び合っています。自民党の議席を減らし、改憲勢力を参院で「3分の2」割れさせたことを確信にし、奮闘していきたいと思います。

 ─「市民との共同」が大きな力を発揮した選挙戦でした。

 昨年の知事選で奮闘した福山和人弁護士や、初めて選挙事務所の事務局次長を務めてもらったジャーナリストの守田敏也さんなど、知事選でつながった市民運動のメンバーはじめ、さらに広い市民の方々が、本気で選挙をたたかってくれました。左京区・百万遍の共同街宣(6月29日)では、市民運動に参加されている方が次々と「まさか共産党の車に乗って訴えることになるとは…」と「告白」しながら支持を訴えてくれたことが象徴的でした。

公示直前に行われた合同街頭演説会。多くの市民が「倉林勝利を」と呼びかけました(6月29日、左京区・百万遍)
論戦239回評価うれしい

 消費税増税ストップや、納税の猶予制度の活用を麻生財務相に認めさせた論戦を知ってもらい、本気で増税を止めようといっしょにたたかった選挙でした。年金問題、漁業者の定置網への補助制度創設、原発再稼働反対など、239回の国会論戦をよく見ていただいて、評価してもらえたのがうれしかったですね。

 政策で、「減らない年金」制度実現や、国保料引き下げを訴えるとともに、詳しく財源を示したことが説得力を持って受け止められたと思います。

 話題になったのは「れいわ新選組」の山本太郎さんが応援(7月12日)にかけつけてくれたことです。私の消費税論戦など実績を丁寧に紹介してもらい、心のこもった支援をいただきました。「れいわ」は2議席を得て、政党要件も満たしており、新たな野党共闘のパートナーとしていっしょに頑張っていきたいですね。

 また、出身の民医連の活動や、女性後援会や居住支部のみなさんなどが「やったことのない宣伝をやろう」と、「あらゆるつながりに電話した」「連日のビラまきを頑張った」と奮闘してもらったことが勝利の原動力になっています。

 比例候補の佐藤ちひろさんたちが、子育てママと公園や保育園、学校前で地道に対話宣伝をしてくれて、選挙後半には子育て世代の反応がすごく良かった。こうやってさまざまな奮闘、ドラマがあったと思います。本当に素晴らしい財産を得た選挙戦でした。

増税ストップと減らない年金へ

 ─2期目の決意を聞かせてください。

 10月から予定されている消費税増税をストップさせるために全力をあげます。経済状況も賃金も何もかも悪化している中、増税は国民を崖に突き落とすようなもの。あきらめるわけにはいきません。

 「減らない年金制度」の実現に向けた取り組みもこれからです。金融庁の審議会が老後に「2000万円の貯金が必要」とした報告書を政府が受け取らなかった問題で、国民の怒りが沸騰しました。年金に関わる財政検証の結果が近く出る見込みなので、秋の臨時国会前に閉会中審査を実施させ、年金問題について徹底的に論戦をしたいと思います。

 改憲勢力は3分の2を割り、9条改憲ノーが示されたのが参院選の結果です。選挙結果まで「改ざん」し、憲法改正をすすめるなど、到底認められるものではありません。

 5野党・会派の党首が市民連合と13項目「共通政策」で一致して参院選をたたかいました。これを実現していくと同時に、年金や国保など社会保障の財源をどうするのか、消費税に頼らない社会保障にどう切り替えていくのか、日本共産党の提案が値打ちを発揮することになっていくと思います。

「落としたら損」思わせる議員に

 定置網の補助制度実現は、喜ばれましたが、本当に漁業者が生活できる漁業への転換が必要です。農業では、営農を断念するきっかけにもなっている機械の更新で、中古の機械でも助成制度を活用できるようにすることや、集落営農組織への国の支援制度をさらに使い勝手の良い制度に変えたいと思います。

 住民の苦難の解決、要求の実現まで、地方議員のみなさんと力を合わせてとことん頑張ります。「こんな議員を落としたら損しまっせ」と思わせる、そんな国会議員として、さらに磨きをかけていきたいですね。

(「週刊京都民報」8月11日付より)