奥野恒久さん

 今回の参議院選挙は、①国家の最高法である憲法の改正を政権の側が主張している点と、②「忖度」がなされるまでの強大な長期政権が続くことの是非が問われている点で、まさにこの国のあり方を決する選挙です。軍事力を強化し戦争のできる「強い国」を目指すのか、「軍事によらない平和」を希求し国民一人ひとりを大切にする国を目指すのか、これか本質的な争点です。

 安倍政権は、米国のトランプ大統領とともに軍事力を使ってでも、日本にとって好都合な国際秩序をつくるべく9条改憲にまい進しています。万一、今度の選挙で改憲勢力が3分の2をとるならば、間違いなく数の力でもって改憲発議に突っ込んでくるでしょう。

 この動きに対峙しているのが市民と野党の共闘であり、その要に共産党があります。だから安倍首相は、共闘を分断させようと共産党攻撃に躍起になっています。安倍政権自身は、外交も経済もうまく行っていません。自身の成果など語ることができず、空虚なスローガンを叫ぶか、分断をあおるために野党攻撃をするしかないのです。「情けない」政権です。

 この間、共産党は独自の理念を大切にしながら、市民や他の野党をリスペクトし、連携の強化をはかっています。この姿勢は、日本の民主主義を成長させると思います。まずは、何としてでも安倍政権の改憲の動きを止め、民主主義を取り戻しましょう。そして憲法を生かす政治にかじを切り直す、そのための一歩となる選挙にしなければなりません。