舞鶴基地の係留所に停泊するイージス艦「みょうこう」(左)と「あたご」。トマホーク搭載のための改修が予定されています

 「安保3文書」に基づき、京都府内では日米一体で、憲法違反の敵基地攻撃能力の保有に向けた動きが進んでいます。海自・舞鶴基地のイージス艦への長射程ミサイルの配備が予定されているほか、舞鶴基地の艦艇が米軍との戦闘訓練に参加。舞鶴基地と陸自・祝園分屯地では、長射程ミサイル保管のための大型弾薬庫新設が計画・実行されています。また、敵基地攻撃をすれば相手国から反撃も想定されることから、日米共同訓練や舞鶴基地の司令部地下化、府内の自衛隊基地の強靭(きょうじん)化も計画されています。

 長射程ミサイルの配備が予定されているのは舞鶴のイージス艦「あたご」と「みょうこう」の2隻です。

 配備されるのは米軍がイラク戦争などで先制攻撃に使用してきたトマホーク(射程1600㌔)。2026年度、2隻にトマホークを発射する機能が付加される予定です。

 2隻は判明しているだけでも日米共同訓練に3回参加。米空母や米駆逐艦とともに、関東南方や沖縄周辺、日本海で戦闘訓練や弾道ミサイル情報共有訓練を実施しています。

 大型弾薬庫新設は全国で130棟計画されており、京都では、舞鶴基地に3棟、祝園分屯地に全国最多の14棟が建設される予定です。

 26年度予算案では、舞鶴3棟のうち、1棟分の設計費、2棟分の工事費を計上。昨年8月に8棟の建設が始まった祝園では、3棟分の調査・設計費約5億円、11棟分の工事費約211億円が計上されました。

京丹後市の米軍基地で昨年7月に行われた日米共同訓練の模様を紹介する在日米陸軍のX(エックス)。「CBRN対処」と呼ばれる、化学・生物・放射線・核攻撃を想定した訓練も行われたとしています

 相手国からの反撃を想定した日米共同の警備訓練も常態化。京丹後市の米軍基地で、同基地が設置された14年から昨年10月末までに13回行われてきました。昨年7月の訓練では、「CBRN対処」と呼ばれる化学・生物・放射線・核攻撃に対応する訓練が行われ、自衛隊員がガスマスクを装着していました。

 司令部の地下化や基地の強靭化の目的は、反撃に耐え、基地機能を維持する能力である「抗たん性」の向上です。政府は反撃として、核・化学・生物兵器までも想定しています。

反撃されれば基地周辺「焦土」防衛相も認める

 反撃されれば、基地周辺が焦土と化す可能性があります。政府も穀田恵二・衆院議員(当時)の質問(23年2月、衆院予算委員会)に対し、「大規模な被害が生じる可能性も完全に否定できるものではない」(浜田靖一防衛大臣)と認めています。

 強靭化の対象は、舞鶴基地、祝園分屯地、空自・経ケ岬分屯地(京丹後市)、陸自・福知山駐屯地(福知山市)、陸自・桂駐屯地(京都市西京区)、陸自・宇治駐屯地(宇治市)、陸自・大久保駐屯地(同)と、府内全基地です。

大型弾薬庫新設反対を訴え、2700人が参加した昨年10月の「祝園全国集会」でパレードする日本共産党の堀川あきこさん(衆院近畿比例候補、前列右から2人目)、井上哲士前参院議員(前列右端)=2025年10月19日、精華町

共産党 平和と暮らしを壊す大軍拡止める

府内各地の住民運動とも連帯

 日本共産党は総選挙政策で、「平和と暮らしを壊し、憲法も専守防衛も眼中にない大軍拡を止める」と訴えています。また、大軍拡阻止に向けてこれまでも京都府内で住民とともに運動を展開してきました。

 総選挙政策では、高市政権が安保3文書に基づく軍事費GDP比2%への引き上げを前倒しし、トランプ政権の求める3・5%への引き上げにもすすんで応じようとしていると指摘。

 医療と介護と生活保護に投入されている国費は合計18兆円で、これを大きく上回る大軍拡は、国民への大増税、大負担増と社会保障や教育などの予算の大削減、「戦時国債」のような大借金なしでは不可能だと批判しています。

 また、軍事費を増やし、アジアの広範囲が射程圏内に入る長射程ミサイルの配備や弾薬庫を増設することは憲法に反し、「専守防衛」さえ投げ捨てるものと厳しく糾弾しています。

 その上で、▽軍事費の大増額に反対し、軍事費「GDP比3・5%」を許さない。「防衛特別所得税」導入などの軍拡増税をやめさせる▽他国を攻撃するための長射程ミサイルの配備・ミサイル列島化をはじめ、アメリカとともに戦争するための大軍拡に反対▽特定の国を敵視し、排除するのではなく、日本共産党が提唱する「東アジア平和提言」にもとづき、対話と包摂で平和をつくる独自の外交に力をそそぐ─などと訴えています。

 軍事費増額、長射程ミサイルの配備や保管のための弾薬庫新設に対し、日本共産党は京都府内で、住民とともに反対運動を展開しています。