そろい踏みで約3000人の聴衆の声援にこたえる(右から)佐藤ちひろ比例代表候補、渡辺和俊府委員長、倉林明子京都選挙区候補、志位和夫委員長、井上さとし比例代表候補(5日、京都市下京区)

 参院選で京都選挙区(改選数2)から再選をめざして奮闘する日本共産党の倉林明子候補と、4期目に挑戦する比例代表の井上さとし候補は5日、同党の志位和夫委員長とともに京都市下京区のJR京都駅前で訴え、「くらし、いのち、平和の問題でも、日本の命運がかかったこの選挙で日本共産党を大きく伸ばそう」と呼びかけました。

 井上候補は、年金問題で、老後資金に「2000万円必要」とした金融庁報告書を麻生財務省が受け取らず、なかったことにした行為を「新たな隠ぺい」と批判。日本共産党が「減らない年金」をつくるための財源を示しても、「ばかげた政策」と言い年金改革の意思も能力もない安倍政権に対し、「2000万円貯めるよりも一票の力で政治を変える方が簡単。この声を日本共産党に」と支援を訴えました。

 倉林候補は、看護師時代に、国保料が高すぎて払えないため、病院に行けずに命を落とす事態に直面した経験から、国保料の値下げを国追及してきたことを紹介。1兆円の公費を投入し、平等割、均等割を廃止し、サラリーマン並みに値下げする公約を語り、「国保料引き下げの仕事を私にやり抜かせて下さい。消費税増税なしに社会保障充実の道を日本共産党と一緒に進もう」と述べると大きな拍手が起こりました。

 約3000人の聴衆を前に、「とりわけ京都のたたかいは絶対に負けるわけにはいかない」と切り出した志位委員長は、「政党を選ぶ比例選挙で第1党を実現して7人以上の勝利を、そして京都選挙区は、実績、実力、魅力も満点の倉林明子さんを必ず再選させて下さい」と強調しました。

 「くらしに希望(の持てる施策)を情熱を持って語り、いい日本をつくろう」とのべ、争点となっている問題への日本共産党の提案として、「減らない年金」、消費税増税に頼らない「くらしに希望を 三つのプラン」、憲法9条を生かした平和外交、「誰もが尊厳を持ち、自分らしく生きられる」社会―の実現を熱く訴えました。

 年金問題では、党首討論(3日)での安倍首相の「年金問題で、『打ち出の小づち』はない」という発言にふれ、日本共産党の対案を紹介。年金給付を自動削減する「マクロ経済スライド」をやめ、「減らない年金」をつくる財源として、▽高額所得者の保険料の見直し▽約200兆円の年金積み立て金を年金給付に計画的に活用▽労働者の賃上げ・正社員化で年金の担い手を強く―する「三つの合わせ技」で実現できると論じました。

 憲法では、「憲法に自衛隊を明記する、と公約に掲げています」(4日)と安倍首相が語ったことをあげ、自衛隊を明記することで9条を死文化すれば、海外での無制限な武力行使を可能にすると指摘。「このような恐ろしい道は、断固拒否しよう」と力を込めました。

 最後に、業者に対する消費税滞納の差し押さえ問題で、麻生太郎財務相に制度周知の落ち度を認めさせ、全国で猶予制度の活用を実施させた倉林さんの国会追及にふれ、「どんなことがあっても、この議席を失うわけにはいきません」と強調。京都で日本共産党は、府会、市会ともに議員数で自民党に継ぐ第2党、野党第1党を占めており、「京都で自民党を倒すには日本共産党を伸ばすしかない、倉林さんが勝つしかない」と奮闘を呼びかけました。

 応援弁士としてマイクを握った福山和人弁護士は、「共産党だけが、企業からも団体からも献金を受け取らないからこそ、国民のための政治が貫ける」と支援を呼びかけました。日本共産党比例代表の佐藤ちひろ候補が紹介されたほか、同志社大学大学院の岡野八代教授、京都総評の梶川憲議長、京都民医連あすかい病院の中川裕美子院長、フリージャーナリストの守田敏也さん、思春期アドバイザーの、あかたちかこさん、白坂有子さんらの登壇も紹介されました。