(右から)美智子さん・武夫さん夫妻と前田さん

 「待ちに待ったこの一票。みなの暮らしを高め、世界平和を呼び寄せる」。統一地方選の投票日直前に日本共産党に入党した90歳と84歳の夫妻が参院選勝利に向け、党への尊敬と激励をこめた「檄文」を書き、支部の仲間を励ましています。

 山科区大宅に住む深尾武夫さん(90)、美智子さん(84)。人生最後のステージで日本共産党の仲間とともに生き、世の中を良くする手伝いをさせて欲しいと入党しました。統一地方選では、本庄孝夫前府議をはじめ、山本陽子、鈴木豊子両京都市議の選挙事務所に寄せた檄文のタイトルは「現代を生きる我々の誓い」。「戦前・戦中の弾圧に屈せず、初一念を貫き通した先輩戦士たちの功績を称え、現代に生きる我々の手で共産党の一層躍進させることを誓う」という内容でした。

 深尾夫妻と共産党とのつながりは1999年6月に山科区に引っ越して来た直後、ポストに入っていたアンケートがきっかけ。回収に来た党員と懇意になり、本庄さんの父親と武夫さんが滋賀県庁で一緒だった縁が重なり、選挙でも応援するようになりました。

 武夫さんは16歳の時、滋賀県大津市堅田にあった戦闘機を造る工場に動員されました。乗っていた汽車がアメリカの戦闘機に銃撃を受けたこともあり、大学の先輩や友人の多くが戦死しました。戦前・戦中に共産党員が「アカ」とののしられて官憲に引っ張られたことを知っていました。「共産党は戦争に唯一反対していた庶民の味方だった。でも口にはできなかった」と言います。

 山科で共産党と出会い、しんぶん赤旗「日曜版」を購読。府市会議員が地元の水害や交通利便のために、調査し議会で質問する姿、医療や福祉の実状を聞き、より良い制度に変えようと奮闘する姿に「変わらぬ庶民の味方」だと思ったと言います。

 親身になって声を掛けてくれたのが地域支部の前田玲子さん(71)でした。足の痛みをマッサージで和らげたり、趣味の音楽鑑賞にもつきあってくれました。美智子さんは「気難しい夫が心を開き、党の方が訪ねて来るのを楽しみにするようになりました」と言います。

 「党に入ってほしい」との北山忠生前市議の訴えに、二人で決意。前田さんは「人生の先輩であるおふたりの決意が本当にうれしい。一緒に頑張りたい」とエール。武夫さんは毎日、参院選で、共産党の躍進を願う標語を考え、文章を作成中です。

 夫妻は言います。「人のため、世の中のために必死で頑張る人たちと出会い、私たちも仲間に入って、努力していきたいと思いました。体は動かないけど、仲間を励ます一文は書ける。勝利のための手伝いをさせてほしい」