千代田化工建設が元請けを行う予定と周知された、三重県伊賀市での住民説明会

 米外資系企業「FS Japan Project6合同会社」が南山城村で進めているメガソーラー建設計画で、造成などの元請け工事を担当する千代田化工建設(神奈川県横浜市)は、米国の巨大プラントプロジェクトでつまずき、5月9日発表の3月期決算で、過去最悪の赤字を計上。債務超過に陥りました。村民から、「工期は3年ほどあるが、やりきれるのか」など不安の声が上がっています。

 FS6社は、2017年末、三重県伊賀市島ヶ原で開かれた住民説明会で千代田化工建設を元請けにすると発表し、設計・調達・建設を含む一連の工程を請け負う業者としての十分な能力、実績を有していると紹介していました。

 ところが、同年のハリケーン被害などをきっかけに、米国の液化天然ガス関連の巨大事業で人材確保がままならず、工期を延長。同業大手の東洋エンジニアリングが3月期決算を8億円の赤字でしのぐなか、千代田化工建設は過去最悪の2149億円の赤字となり、債務超過額は592億円にのぼりました。

 今後、三菱商事などから1800億円の資金支援を受けて債務超過は解消するものの、先行きは不透明です。

 同社が参加し、村内で開催された工事説明会でも、住民から「経営破綻したらどうするのか」などの質問が出され、FS6社は、非常時には別の会社を探すなどと回答しました。

 工事説明会に参加した男性は「業績の良かったサンヨーやシャープでも経営破綻する現在。 最初から赤字で出発する会社でうまくいくのか。経営が悪化すれば、千代田化工建設は比較的利益の少ない事業など簡単に切り捨てるのでは」と語ります。