娘・山本幹子さんが表紙絵を手がけたブックレットを手にする山本さん

 〝忠やん〟の愛称で親しまれている、京都ひまわり合唱団指揮者の山本忠生さん(80)がこのほど、うたごえ新聞(京都版)のコーナーで紹介してきた自身のエッセイと同名のブックレット「忠やんの うたごえ旅日記」(A5判、127㌻)を出版しました。

 エッセイは、合唱指導や講演、アコーディオン伴奏などで全国各地を訪ねる山本さんが、2011年9月から月1回、人や歌との出会いの中で、「感じたこと、学んだことを自由に書いた」もので、今年4月までに96編を重ねました。

 うたごえ運動55年の人生の断片、歌を通した人とのつながりや学びが詰まった、忠やんの「旅日記」を全国の仲間にも届け、忠やんへの感謝の気持ちも表したいと、編集委員会メンバーが冊子にし、80歳の誕生日に合わせて3月に発行したもの。エッセイから厳選した39編に加え、うたごえ新聞の随想と友人6人からの寄稿が収められています。

 エッセイには、福島県南相馬市に、生鮮物資と文化を届ける被災者支援の取り組みの際の「行って役に立つのか」という不安、歌を届ける活動を重ねて、歌の力やうたごえ運動の役割に触れた一文もあります。また、うたごえの歌が歌われなかった「うたごえ喫茶」での演奏経験も紹介されていますが、みんなが〝うたの主人公〟であり、人や社会とつながって、共に歌う楽しさを応援する山本さんのスタンスが、平易な語り口調でつづられています。

 ブックレットは1000円+税。お求めは、京都音楽センター☎075・822・3437。