「抹茶とお菓子」(850円、上)、「和束の里」(980円)

 府南部の茶どころ・和束町の魅力を伝えたいと、お茶だけでなく、お茶を使ったスイーツなど、100%和束にこだわった喫茶店。ほんのり甘い抹茶やアイスクリーム、さわやかな煎茶が楽しめます。

お茶と和菓子野菜も運んで

 店主の喜多見すみ江さん(65)は宇治市生まれですが、子育てする場所として選んだのが自然豊かな和束町。23年前に移り住みました。茶畑は宇治でも見ていましたが、山全体が緑に染まる茶畑の美しさに魅了されました。

 「きっさこ和束」を開いたのは3年前。亡くなった夫の実家が空き家になり、管理が必要となったことからです。市役所や建築家らに相談したところ、築100年の京町家でほぼゆがみもないと太鼓判を押され、建物を生かすために開いたのが喫茶店でした。

 無理せず、自分にできる事をと考え、思いついたのが隣家の茶生産者と和菓子店の協力を得て、和束の魅力を伝える事でした。和束茶をアイスクリームやチョコレートに加工する人にも出会い、スタート。町内で作られた焼き菓子や米も販売。毎日、和束から水も運んでいます。

 メニューは、「抹茶とお菓子」(850円)、抹茶ぜんざい(700円)など8種類。茶道体験(1500円)もできます。毎月第3土曜日には、「野菜広場」も開催。お茶と鉄でミネラル豊富な野菜づくりに挑戦している和束町の農家や京都大学の准教授らが後押しします。

 喜多見さんは「きっさこは、ちょっとお茶でもという意味ですが、ここでゆっくりする人たち同士の出会いがあり、つながっていくことが楽しい」と話しています。

 京都市東山区本町5丁目182。営業時間は11時から18時。毎週月曜定休。5月1日は休業。☎075・741・6377。きっさこ和束

「お客さん同士が仲良くなる出会いの場なんですよ」と喜多見さん