「新幹線整備費は10倍増に」「たかだか2兆円程度でできる」―新幹線への莫大な税金投入を主張してきたのが、自民党の西田昌司参院議員(京都選挙区選出)です。与党PT委員長をつとめ、京田辺市のJR松井山手駅を通過する府南部ルートを主導してきました。

新幹線整備費「10倍」が持論

 西田氏は、2016年10月の参院予算委員会で安倍首相に整備新幹線予算の増額を要望。新幹線を舞鶴市や山陰地方、関西国際空港へつなげるなどの持論を述べながら、「(年間)750億円しか新幹線の予算がない。この調子では40年経ってもできない。4000億円、5000億円へと10倍近く出さないと完成できない」と述べ、公共事業費について「あと2兆円増やすべき」と強調しました。安倍首相は、西田氏の持論について「壮大な構想」「勇気を与えていただいた」と称賛し、金融緩和によるマイナス金利を理由に、「こういうときこそ必要な未来への投資をやりたい」と述べました。

 また16年10月に開かれた山陰新幹線、北陸新幹線の京都北部ルートを求める総決起大会で、西田氏は「新幹線の予算が755億。こんなバカな金額でできるはずがない。4000億、5000億円くらいの予算があれば20年以内でできる」と述べた上で、「国家の規模からすればほんのわずかな予算です」と強調しました。

 また西田氏のホームページ上で公開している動画「週刊西田」(15年8月配信)で、「北陸新幹線構想はどれほどの効果が見込めますか?」との質問に対し、「関西圏の起爆剤になる構想。その予算は、たかだか2兆円程度。早急に計画をまとめて事業をやっていくべきだ」と発言しています。

 府民から莫大な財政負担に批判の声が高まるなか、西田氏とともに安倍政権は推進に躍起になっています。同ルートを決定した与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)は、金沢―敦賀間の建設費が膨らんでいることに対して、国が低金利で貸し出す財政投融資の活用など、さらなる国費投入を計画。敦賀―新大阪間の建設も財界と一体となって早期開業を要望し、野放図な財政投入を要求しています。