今年の7月豪雨や9月の台風21号など相次いだ自然災害をめぐり、地域での防災について考えようと、ふるさと再生京都懇談会は11月18日、綾部市で元国交省・近畿地方整備局河川部長を務めた宮本博司氏を迎えて学習会を開きました。宮本氏は、「想定に頼った治水対策を止め、川に水を集中させない総合的な対策を取るべき」と訴えました。

 宮本氏は、現状の治水対策・河川改修では、「計画高水位以下の洪水に限って川に閉じ込めようとするもの」であり、想定外の雨量には対応できないと強調。

 そもそも、自然災害の規模は想定できないものであると指摘し、川の中に水を閉じ込める対策には限界があり、森林整備や霞(かすみ)堤などの土地利用で「洪水のエネルギーを川に集中させない」とともに、避難体制整備など総合的な対応が重要だと述べました。

 さらに、越水による堤防の決壊を防ぐための堤防強化が必要だと指摘。しかし、計画高水位より上の部分の堤防については、国は、ダムの効果で計画高水位を越えないため強化しない方針であることを告発。ダム偏重の治水対策を批判しました。

 災害対策の実施にあたり、例えば築堤工事などをめぐり「賛成」「反対」で住民と行政が対立し、折り合いがつかないことがあると指摘。解決策として自身が委員長を務めた淀川水系での河川整備案を審議する「淀川水系流域委員会」の経験を紹介。

 同委員会は、国交省が委員を選ばないことや計画原案を示さないなどの特徴があり、行政のお手盛り計画とならないため賛否をめぐる対立が起きないと報告。地域の河川整備にあたって同様の仕組づくりを提言しました。

 会場から亀岡市で建設中の大型スタジアムについての見解を問われ、「自然の特性として水が溜まる場所であり、その前提で土地利用、まちづくりすべき。その見地で考えるとおかしいと思う」と述べました。

 同会の田中康夫共同代表があいさつし、堀口達也前綾部市議が7月豪雨の同市での被害状況や課題について報告しました。

(「週刊京都民報」12月2日付より)