「読者の文芸」年間賞表彰式 京都民報「読者の文芸」の2012年年間賞表彰式と懇談会が2日、中京区のレストランおおたやで行われ、京丹後市や滋賀県近江八幡市などから14人が参加しました。
 表彰式では、京都民報社の昼神猛文編集長があいさつし、受賞者に賞状を手渡しました。歌壇の長勝昭氏、昨年10月から青倉人士さんの後を継いだ俳壇の伊藤哲英氏、柳壇の八木勲氏の各選者が講評を述べました。
 選者の各氏は、「命を慈しむ心や友人・家族への思い、生きづらい世の中を歌った歌など1冊の重みある歌集になるほど素晴らしい作品が多かった。瞬間をとらえたその気持ちや真剣に生きることを短い言葉にとどめ、発表することで共有し、支え合うことができる、それが民報歌壇の魅力ではないか」(長)、「『叙情性と批判性を2つの弦にして和音を奏でる』ことを目指して俳句に取り組んできました。青倉先生の後を継ぎ、皆さんと一緒に勉強していきたい」(伊藤)、「入選の多い方から3人を選ばせていただいた。入選句に“ひょっこり”という題で出句された『カプチーノひょっこり本音聞きたいの』という句には参った。ひょいっとつかんだ川柳らしい句です。『よう出来た軍手の甲で汗涙』これは見た瞬間に選らばなあかんと思った句でした。日常生活から川柳的な見方で言葉を切り取る、このタイムリーで高いテクニックの作品の多さに驚きます」(八木)などと話しました。
 交流会で参加者らは「病院の患者会で川柳サークルを作った。投稿を勧めたい」「日々忙しい中で短歌で静かな時間を作っています。文字数の制約が面白さにつながっている」「短歌に出会って心が豊かになった」「川柳のお題を考えながら歩いている。受賞を励みにもっとがんばりたい」「投稿者は圧倒的に女性。女性パワーがすごいが負けずに投句したい」などの意見や感想が述べられました。
 20年以上にわたり歌壇選者を務めてきた青倉人士さんは体調不良で欠席しましたが、「読者の文芸」の発展を願う一文を寄せ、伊藤さんが代読しました。