読者の文芸 京都民報「読者の文芸」の2011年年間賞表彰と懇談会が25日、中京区のハートピア京都で行われ、12人が参加しました。
 表彰式では、京都民報社の真下哲編集次長が受賞者に賞状を手渡しました。田中礼、青倉人士、八木勲の各選者が「被災者に思いを寄せた作品は時代が移って行く中でも言葉の重みが未来の読者に受け止められるのではないか」(田中)、「季題も引用しながら社会現象を上手に表わしている秀作がある。私は時事だけでなく“政略俳句”と言っているが、よくなりつつあるのではないか」(青倉)、「昨年は題を決めて投句いただいた。入選句に“みのり”という題で出された『こぼれ種だって花咲き実も稔る』という句があるが、深い意味もあり素晴らしい。川柳的な見方、タイムリーな句でなかなか表現やテクニックのレベルが高い作品が多かった」(八木)などと講評を述べました。
 また、今年1月から田中氏の後継として、歌壇選者を務めている長勝昭氏があいさつしました。
 交流会で参加者らは「川柳を初めて半年足らずだが、選ばれた作品が掲載されることが励みになっている」「短歌は自分をさらけ出すことになり迷うことも多いが、投句は続けたい」「川柳のお題があると集中して作れる。今年も続けてほしい」などの意見や感想が述べられました。
 20年以上にわたり歌壇選者を務めてきた田中礼さんは「熱心な多くの人に知っていただきました。民報の文芸欄は大変大事なものだと思っています。長い人生経験を持つ方が地域で活動する様子を歌にして投稿してこられることは、他の歌壇と違い、独自性を持つ歌壇として形成されてきました。さらに多くの方に参加いただけるよう願っています」とあいさつしました。