七日正月、京の各家庭では朝食は七草(種)粥(がゆ)を食べる風習があります。七草はせり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろで粥にしますが、昨今はスーパーで一式そろえて袋売りもしています。北野天満宮、八坂神社や貴船神社などでは若菜祭として、神前に粥を供えて疫病除けと健康を祈願し、新春を祝う神事が営まれます。七草粥は元々は中国から日本に伝播し平安時代初期の宮中行事の一つとして行われ、庶民に一般化したのは江戸時代のころと言われています。一年間無病息災で過ごせるようにとのまじないで、江戸幕府もこの日を「人日(じんじつ)」として刑の執行は行わなかったと伝えられています。
 写真は伏見区の御香宮神社での七草神事のお粥の接待風景です。昨年は雪、今年もあいにく曇天の小雨模様の中、宇治市から七草粥をよばれにきた親子連れです。熱いお粥に「フーフー」と自分で息を吹きかけ、「オイシー」と返事をしながら大きなお茶碗一杯すすっていました。また、地元から毎年よばれにきているという三人組の女性は「体が温かくなるし、健康食品だし、おいしい」と息を吹きかけて熱々の粥をかき込んでいました。(仲野良典)
  「一(ひと)とせに一度つまるる菜づなかな」(芭蕉)
  「けふぞかし薺(なずな)はこべら芹(せり)つみて はや七草のおものまゐらぬ」(慈鎮和尚)