VANISHING POINT / 消滅点 12月2日(火)~12月14日(日)・12月16日(火)~12月28日(日)11時~19時(月曜休。金曜20時まで、最終日18時まで)、ギャラリー・パルク(京都市中京区三条通御幸町弁慶石町48三条ありもとビル2F。地下鉄東西線「京都市役所前」より徒歩3分)TEL075・231・0706。
 ギャラリー・パルクでは、藤永覚耶、前谷康太郎、宮崎雄樹の3人の作家と展覧会キュレーター・宮下忠也から成る展覧会「 VANISHING POINT / 消滅点」を2014年12月2日[火]から12月28日[日]まで、その会期を2週間ごとの[シークエンスA]・[シークエンスB]と分けて連続で開催いたします。
 絵画における一般的な透視図法である「Vanishing Point/消失点」は、平行線が1つの点に集まる遠近法として、画面上に奥行きを与えることで三次元的空間を構築するだけではなく、鑑賞者の視線を意識的に引き込む機能により、その作品の主題や描き手の意図を示唆する役割をも担います。
 本展のキュレーターである宮下忠也(みやした・ただや/1976年・京都府生まれ)は、この視点を展開させ、今日的な表現の中に消失点ではなく「消滅点」という特異点を見出し、そこから作家・作品へのひとつの読み解きを構築しています。本展の出展作家である藤永覚耶、前谷康太郎、宮崎雄樹の作品には、いずれも明白な「消失点」は不在のままに、独自の技法による「Vanishing Point」=「消滅点」が導入されているといえます。
 2012年にGallery PARCでの個展開催以降、2013年の「APMoA Project, ARCH Vol.6 藤永覚耶」(愛知県美術館/愛知)や2014年の「BIWAKOビエンナーレ」への参加など、積極的な発表を続ける藤永覚耶(ふじなが・かくや/1983年・滋賀県生まれ)は、染料インクの点描による図像をアルコールにより溶かし、図像が消滅する寸前に現れる「イメージが個人の主観から開放され、広く共有される瞬間」を画面に定着させようと試みています。
 2014年の「further/nearer : emergencies!021」(ICC/東京)が記憶に新しい前谷康太郎(まえたに・こうたろう/1984年・和歌山県生まれ)は、構造上の特性により明確な像を結ばない自作の撮影機によって、世界を抽象化されたフォルムと色彩や光の明滅にまで還元する作品を発表しています。それは「わたしたちが見ているもの」への問いとともに、見るという「行為」そのものの本質を鑑賞者に共有させるかのようです。
 2013年の「シェル美術賞展2013」において審査員奨励賞を受賞するなど、宮崎雄樹(みやざき・ゆうき/1982年・大阪府生まれ)は、アクリル絵具による風景画を蜜蝋でコーティングし、その上から油絵具で加筆するという手法を用いた絵画制作を続けています。乳白色の蜜蝋は中間層となって「向こう」と「こちら」をつくり出し、そこに距離感とズレを生じさせることで、人間の記憶の曖昧さや意識の揺らぎを取り込み、絵画と鑑賞者をゆるやかに合流させます。
 ここに見られるそれぞれの「消滅点」は、いずれも異なる意識・要求や技法によって作品に内包されたものですが、個々の表現にとって大きな役割を果たしているのは間違いありません。宮下はそれぞれの作品をへの理解を深めるための共通項として、ここに「消滅点」というテーマを挙げるとともに、それらを「今日の私たちの体感覚に則した、広く共有しうる世界観なのではないでしょうか」として、鑑賞者に作品を通じた世界への読み解きを促します。
 本展覧会では、そのテーマや個々の作品の魅力に触れていただけるように会期を2期に分け、3人の作家がそれぞれ作品・構成を変化させた展示をおこないます。どちらも合わせてご覧いただければ幸いです。(ギャラリー・パルク)
 問い合わせTEL/FAX075・231・0706(ギャラリー・パルク)。

https://www.kyoto-minpo.net/event/wp-content/uploads/2015/04/20141202-03.jpghttps://www.kyoto-minpo.net/event/wp-content/uploads/2015/04/20141202-03-150x150.jpgkyomin-minpo画廊・ギャラリー 12月2日(火)~12月14日(日)・12月16日(火)~12月28日(日)11時~19時(月曜休。金曜20時まで、最終日18時まで)、ギャラリー・パルク(京都市中京区三条通御幸町弁慶石町48三条ありもとビル2F。地下鉄東西線「京都市役所前」より徒歩3分)TEL075・231・0706。  ギャラリー・パルクでは、藤永覚耶、前谷康太郎、宮崎雄樹の3人の作家と展覧会キュレーター・宮下忠也から成る展覧会「 VANISHING POINT / 消滅点」を2014年12月2日[火]から12月28日[日]まで、その会期を2週間ごとの[シークエンスA]・[シークエンスB]と分けて連続で開催いたします。  絵画における一般的な透視図法である「Vanishing Point/消失点」は、平行線が1つの点に集まる遠近法として、画面上に奥行きを与えることで三次元的空間を構築するだけではなく、鑑賞者の視線を意識的に引き込む機能により、その作品の主題や描き手の意図を示唆する役割をも担います。  本展のキュレーターである宮下忠也(みやした・ただや/1976年・京都府生まれ)は、この視点を展開させ、今日的な表現の中に消失点ではなく「消滅点」という特異点を見出し、そこから作家・作品へのひとつの読み解きを構築しています。本展の出展作家である藤永覚耶、前谷康太郎、宮崎雄樹の作品には、いずれも明白な「消失点」は不在のままに、独自の技法による「Vanishing Point」=「消滅点」が導入されているといえます。  2012年にGallery PARCでの個展開催以降、2013年の「APMoA Project, ARCH Vol.6 藤永覚耶」(愛知県美術館/愛知)や2014年の「BIWAKOビエンナーレ」への参加など、積極的な発表を続ける藤永覚耶(ふじなが・かくや/1983年・滋賀県生まれ)は、染料インクの点描による図像をアルコールにより溶かし、図像が消滅する寸前に現れる「イメージが個人の主観から開放され、広く共有される瞬間」を画面に定着させようと試みています。  2014年の「further/nearer : emergencies!021」(ICC/東京)が記憶に新しい前谷康太郎(まえたに・こうたろう/1984年・和歌山県生まれ)は、構造上の特性により明確な像を結ばない自作の撮影機によって、世界を抽象化されたフォルムと色彩や光の明滅にまで還元する作品を発表しています。それは「わたしたちが見ているもの」への問いとともに、見るという「行為」そのものの本質を鑑賞者に共有させるかのようです。  2013年の「シェル美術賞展2013」において審査員奨励賞を受賞するなど、宮崎雄樹(みやざき・ゆうき/1982年・大阪府生まれ)は、アクリル絵具による風景画を蜜蝋でコーティングし、その上から油絵具で加筆するという手法を用いた絵画制作を続けています。乳白色の蜜蝋は中間層となって「向こう」と「こちら」をつくり出し、そこに距離感とズレを生じさせることで、人間の記憶の曖昧さや意識の揺らぎを取り込み、絵画と鑑賞者をゆるやかに合流させます。  ここに見られるそれぞれの「消滅点」は、いずれも異なる意識・要求や技法によって作品に内包されたものですが、個々の表現にとって大きな役割を果たしているのは間違いありません。宮下はそれぞれの作品をへの理解を深めるための共通項として、ここに「消滅点」というテーマを挙げるとともに、それらを「今日の私たちの体感覚に則した、広く共有しうる世界観なのではないでしょうか」として、鑑賞者に作品を通じた世界への読み解きを促します。  本展覧会では、そのテーマや個々の作品の魅力に触れていただけるように会期を2期に分け、3人の作家がそれぞれ作品・構成を変化させた展示をおこないます。どちらも合わせてご覧いただければ幸いです。(ギャラリー・パルク)  問い合わせTEL/FAX075・231・0706(ギャラリー・パルク)。京都のイベントの最新情報がわかる京都イベントナビ