「タイルとホコラとツーリズム」展 8月14日(木)~8月24日(日)11時~19時(月曜休。金曜20時まで、最終日18時まで)、ギャラリー・パルク(京都市中京区三条通御幸町弁慶石町48三条ありもとビル2F。地下鉄東西線「京都市役所前」より徒歩3分)TEL075・231・0706。
 京都の街角を歩いた際、不意に地蔵菩薩や大日如来などを奉ったホコラを目にすることがあります。それらの多くはコンクリートや石詰みの基礎の上に木造の社を持つものなどですが、そのしつらえにタイルづくりを取り入れたものもしばしば見受けられます。今も街角に残るホコラには、それらが地域に受け継がれ、奉られてきた信仰の対象である事を伺い知る事が出来ます。また、しばしば目にするタイルづくりのホコラには、それらが受け継がれるにあたり、今日的な都市の様相を取り入れてきた歴史や変遷に思いを馳せるとともに、タイルという建材の持つ清潔さとホコラの持つ神聖さが無縁ではないだろう事を想像させます。
 本展はそれぞれ特異な表現活動を続ける谷本研(たにもと・けん / 1973~)と中村裕太(なかむら・ゆうた / 1983~)の美術家2名が、京都市内で目にするホコラ(路傍祠)の生態系に着目したもので、「タイル」と「ホコラ」をそれぞれのポイントとして捉え、それらを地域における「ツーリズム(観光)」といった視野で考察する試みです。
 京都市立芸術大学大学院造形構想専攻修了後、アートとその周縁に関わりながら企画活動を行うとともに、観光ペナントの収集研究家として知られる谷本研は、独自のフィールドワークにより市内中心部のホコラから三十三所を厳選し、その巡礼ルートを編集するプロセスを通じて、「聖と俗のはざま」に思考を巡らせます。2011年京都精華大学芸術研究科博士後期課程修了し、〈建築工芸〉という視点からタイル・陶磁器などの理論と制作を行なう中村裕太は、街角で見かける内装タイルで装飾された〈タイルホコラ〉に注目し、建築・工芸・民俗の観点からのリサーチをもとに、路傍で採取したタイル片を用いた盆棚を会場内に組み上げます。
 8月16日・17日には谷本がツアコンをつとめるホコラ巡りツアー「ホコラ三十三所巡礼ツアー」や、23日には京都の地蔵信仰や地蔵盆の歴史をもとに、〈信仰〉の対象をどのように〈観光〉の視点で展開するのかを取り上げるクロージング・トーク「信仰を観光する」を開催するなど、「タイルとホコラ」を巡る様々なオブジェで飾り立てられたギャラリーは、ツアーのための観光案内所やトーク会場となります。
 地蔵盆の時期、「タイル」と「ホコラ」という一見関わりの少ないテーマに取り組む本展では、身近な京都のさらに見過ごされがちなスポットに焦点をあてることで、そこから広がる新たな都市空間への視点を提案します。(ギャラリー・パルク)
 問い合わせTEL/FAX075・231・0706(ギャラリー・パルク)。

【会期中イベント】
  • ワークショップ「ホコラ三十三所巡礼ツアー」(Aコース)
    8月16日(土)13時~16時
    コース=PARC → 六角堂 → 仏光寺界隈 → 松原道祖神社周辺 → 四条烏丸(現地解散)
  • ワークショップ「ホコラ三十三所巡礼ツアー」(Bコース)
    8月17日(日)13時~16時
    コース=PARC → 堀川御池周辺 → 三条会商店街周辺 → 壬生寺界隈 → 四条大宮(現地解散)
    500円。各コース定員15人。
    「氏名、住所、電話番号、メールアドレス、希望のコース(AまたはB)」を明記のうえ、tanimoto[at]seian.jpまでメールで申し込み
  • クロージング・トーク 「信仰を観光する」
    8月23日(土)15時~17時
    講師=師茂樹(花園大学文学部准教授・仏教学)、菊地暁(京都大学人文科学研究所助教・日本民俗学)
    無料。定員30人。※予約不要
https://www.kyoto-minpo.net/event/wp-content/uploads/2015/04/20140814-01.jpghttps://www.kyoto-minpo.net/event/wp-content/uploads/2015/04/20140814-01-150x150.jpgkyomin-minpo画廊・ギャラリー 8月14日(木)~8月24日(日)11時~19時(月曜休。金曜20時まで、最終日18時まで)、ギャラリー・パルク(京都市中京区三条通御幸町弁慶石町48三条ありもとビル2F。地下鉄東西線「京都市役所前」より徒歩3分)TEL075・231・0706。  京都の街角を歩いた際、不意に地蔵菩薩や大日如来などを奉ったホコラを目にすることがあります。それらの多くはコンクリートや石詰みの基礎の上に木造の社を持つものなどですが、そのしつらえにタイルづくりを取り入れたものもしばしば見受けられます。今も街角に残るホコラには、それらが地域に受け継がれ、奉られてきた信仰の対象である事を伺い知る事が出来ます。また、しばしば目にするタイルづくりのホコラには、それらが受け継がれるにあたり、今日的な都市の様相を取り入れてきた歴史や変遷に思いを馳せるとともに、タイルという建材の持つ清潔さとホコラの持つ神聖さが無縁ではないだろう事を想像させます。  本展はそれぞれ特異な表現活動を続ける谷本研(たにもと・けん / 1973~)と中村裕太(なかむら・ゆうた / 1983~)の美術家2名が、京都市内で目にするホコラ(路傍祠)の生態系に着目したもので、「タイル」と「ホコラ」をそれぞれのポイントとして捉え、それらを地域における「ツーリズム(観光)」といった視野で考察する試みです。  京都市立芸術大学大学院造形構想専攻修了後、アートとその周縁に関わりながら企画活動を行うとともに、観光ペナントの収集研究家として知られる谷本研は、独自のフィールドワークにより市内中心部のホコラから三十三所を厳選し、その巡礼ルートを編集するプロセスを通じて、「聖と俗のはざま」に思考を巡らせます。2011年京都精華大学芸術研究科博士後期課程修了し、〈建築工芸〉という視点からタイル・陶磁器などの理論と制作を行なう中村裕太は、街角で見かける内装タイルで装飾された〈タイルホコラ〉に注目し、建築・工芸・民俗の観点からのリサーチをもとに、路傍で採取したタイル片を用いた盆棚を会場内に組み上げます。  8月16日・17日には谷本がツアコンをつとめるホコラ巡りツアー「ホコラ三十三所巡礼ツアー」や、23日には京都の地蔵信仰や地蔵盆の歴史をもとに、〈信仰〉の対象をどのように〈観光〉の視点で展開するのかを取り上げるクロージング・トーク「信仰を観光する」を開催するなど、「タイルとホコラ」を巡る様々なオブジェで飾り立てられたギャラリーは、ツアーのための観光案内所やトーク会場となります。  地蔵盆の時期、「タイル」と「ホコラ」という一見関わりの少ないテーマに取り組む本展では、身近な京都のさらに見過ごされがちなスポットに焦点をあてることで、そこから広がる新たな都市空間への視点を提案します。(ギャラリー・パルク)  問い合わせTEL/FAX075・231・0706(ギャラリー・パルク)。 【会期中イベント】 ワークショップ「ホコラ三十三所巡礼ツアー」(Aコース)8月16日(土)13時~16時コース=PARC → 六角堂 → 仏光寺界隈 → 松原道祖神社周辺 → 四条烏丸(現地解散) ワークショップ「ホコラ三十三所巡礼ツアー」(Bコース)8月17日(日)13時~16時コース=PARC → 堀川御池周辺 → 三条会商店街周辺 → 壬生寺界隈 → 四条大宮(現地解散)500円。各コース定員15人。「氏名、住所、電話番号、メールアドレス、希望のコース(AまたはB)」を明記のうえ、tanimotoseian.jpまでメールで申し込み クロージング・トーク 「信仰を観光する」8月23日(土)15時~17時講師=師茂樹(花園大学文学部准教授・仏教学)、菊地暁(京都大学人文科学研究所助教・日本民俗学)無料。定員30人。※予約不要京都のイベントの最新情報がわかる京都イベントナビ