宇治田原町・勝谷町長、住民団体懇談拒否問題「多様な住民意見を反映すべき」「最初から排除は論外」識者ら指摘
宇治田原町の勝谷聡一町長が、同町の住民団体「まちづくりをともに考える会」の懇談要請に対して、「政治色が濃い団体」「政治的な主張が強い団体」などとして拒否した問題について、地元マスコミ、近隣自治体関係者、地方自治の研究者、弁護士から疑問や批判の声が上がっています。
近隣市町で同様の表明はなし、自治体職員「発言に驚き」
近隣の宇治市、城陽市、京田辺市、八幡市、井手町に対して本紙が問い合わせたところ、特定の住民団体と懇談しないことを事前に決めたり、表明している首長はいませんでした。
近隣自治体で秘書業務をしている職員は、「そんなことを公言している町長さんがいるのは驚き。うちは市民サービス向上のために多様な意見をうかがう姿勢」などと話します。
地元紙インタビューでも疑義「色を感じたら、懇談しないというのは・・・」
府南部の地元紙「洛タイ新報」は、勝谷町長のインタビュー記事(1月1日付)の中で、「懇談拒否」の議会答弁に触れて、「多くの団体、個人において多かれ少なかれ、政治色があります」「色を感じたら、懇談しない…というのは、しんどいのではないですか。どことも懇談の場を持ち、自らの考えと違う主張も一旦吸収し、あれこれ考えてみることで、良い道筋が見えてくるのでは」などと疑義を呈しました。
行政法・地方自治法が専門の大田直史・龍谷大学教授は、「自治体の首長は多様な考え方の住民の意見を聞いて行政運営に反映すべき。特定の住民団体と会わないということは、不平等で差別といえる行為で許されない」と述べます。
人権の問題に詳しい豊福誠二弁護士は、「そもそも陳情や懇談はクローズドな場所で行うのが当然。行政に陳情や懇談を要望する個人・団体は、現状ではうまくいかず困っているから訪れるわけで、行政に対するなんらかの立場、主張を持ってくる。全体の奉仕者である首長は、どのような主張の団体であろうが、聞くのが職務。聞くチャンネルを自ら閉ざすようなことをすべきではない」と話しています。
また、行政訴訟などにも取り組んできた奥村一彦弁護士は、「自治会などの官製団体であれ、任意団体であれ、町長と懇談し政策を提案する権利はある。町長が会わない団体を一方的に決めて、排除するというのは行政の長として論外。ジャーナリズムは行政を批判するのが大切な役割だが、京都民報など批判的ジャーナリズムを恐れ、そこで報道された団体というだけで排除する考えは間違っている」と述べています。



