リプロダクティブ・ヘルス・ライツ〈性と生殖に関する健康と権利〉は基本的人権 福知山母親大会で産婦人科医・杉山伸子さん講演

第70回福知山母親大会(同実行委員会主催)が10月19日、性と生殖に関する健康と権利について学び考えようとの呼びかけのもと、同市内で開かれ、女性の健康に関する情報提供や相談などの地域活動に取り組んでいる産婦人科医の杉山伸子さんが「女性のHappy全力応援~性と生殖の健康と権利を大切にする社会を目指して」と題して講演しました。
自分らしく生きるためのパスポート
杉山さんは、自身の活動についての経過説明を、結婚、言葉や仲間との出会いなど人生の転機となった出来事を通じて紹介。その一つに「リプロダクティブ・ヘルス・ライツ(SRHR)=性と生殖に関する健康と権利」という言葉と出合い、未婚や子どもがいないことを負い目に感じていたことから解放された思いにふれて、「SRHRは自分らしく生きるためのパスポートだった」と話しました。
また同時に、SRHRはすべての女性のエンパワーメントに必須の考え方だと述べ、特に生殖に関して、「産むか産まないかは自分で決めていいという概念が大切」と強調。「性や生殖についての権利を主張することは控えられがちだが、健康であること、幸せであることは、憲法でうたわれている基本的人権だと伝えたい」と話しました。
開会あいさつでは、同実行委員会の中馬典子委員長が、ジェンダー平等の取り組みの一環で昨年、母親連絡会と新婦人などが同市議会に可決を求めて提出した請願により、「女性差別撤廃条約選択議定書の批准を国に求める意見書」が9月定例会で可決したことを紹介しました。
来賓あいさつで、日本共産党の中村初代議員は、同意見書について、請願自体は不採択となったものの、今年、全会一致で可決したことと、今年度から中学校のトイレに生理用品の常備が実施されたことを前進した市民要求として報告しました。
ジェンダー平等な社会を築くとともに、科学と人権の性教育の実現をめざすことをうたう「大会アピール」を参加者で確認。
会場では、学校の性教育で「はどめ規定」と称される、「受精に至る過程」や「妊娠の経過」を「取り扱わないものとする」と書かれた小・中学校の学習指導要領の文をなくすよう文科省に求める署名が呼びかけられました。



