京都府に署名を提出する同会のメンバー(9月30日)

 人体に有害な有機フッ素化合物(PFAS)が綾部市の産業廃棄物処分場から流出している問題を巡り、流出現場の周辺住民らでつくる「あやべPFAS汚染から健康を守る会(準備会)」は9月30日、府知事に対し、流出防止の対策や汚染状況の調査を求める署名1161人分を提出しました。

 同市の犀川、天野川の2河川では2023年、PFASを検出。天野川では国の暫定目標値の126倍に達していました。原因は、流域にある産業廃物処分場からの排水にPFASが含まれていたためでした。

 同会は、2河川の流域の住民を中心に結成し、昨年7月から署名を集めてきました。署名では、処分場からの流出の防止を優先的に取り組むことを求めています。

 同会事務局の安富政治さんは、2河川の流域の住民は健康への悪影響に不安を抱えるとともに、農作物の風評被害も発生しているとし、「まずは、処分場からの流出を止めて汚染を食い止めるべきだ」と強調します。

 その上で、流出対策について府は「法的規制はなく、実行性ある対策を講じることは難しい」という認識を示してきたと指摘。「府は、国によるPFASの法規制を持っているのではなく、産業廃棄物処理法にもとづく指導監督権限を発揮し、住民の安全・安心を守るために事業者に対策をとらせるなど主体的に対応してほしい」と話しています。