「このままでは医療崩壊に」看護師ら人員増、大幅賃上げ訴え ナースウェーブ宣伝
看護師やケア労働者の増員と大幅賃上げなどを求める「2025春のナースウエーブ」宣伝が5月10日、京都市下京区の四条烏丸で行われました。京都府内の看護師やケア労働者、医療従事者ら35人が参加し、市民や観光客に処遇改善への理解と「人員増と処遇改善を求める」国会請願署名への協力を訴えました。
主催は、京都医労連、京都自治労連医療部会、医療職場の労働組合などでつくる「ひろがれ看護のこころKyoto連絡会」。ナイチンゲールの誕生日(5月12日)にちなむ看護週間に呼応し、2006年から取り組んでいる行動です。
宣伝では、看護師、看護学校の教員ら10人がリレースピーチ。公立病院の看護師は、コロナ禍以降、慢性的な看護師不足と業務負担が増加している職場実態にふれ、患者から「看護師さんはいつも忙しそう」と言われることを紹介。「1日に何度も『ちょっと待ってください』と言わざるを得ずつらい。なぜ看護師になったのか、何がしたかったのだろうと感じることがある」と吐露し、看護師確保には職員全体の賃上げと処遇改善が必要だと訴えました。
子育て中の看護師は、コロナのクラスター発生による勤務交代で、5月の連休に予定した家族旅行が中止になったと述べ、「命を守る今の医療体制はギリギリ。入職する看護師よりも退職する看護師の方が多く、このままでは医療体制は崩壊すると感じる。命、暮らしを守る社会の実現のため、署名に協力してください」と呼びかけました。
「市民や患者、観光客にも知ってもらい、一緒に広げることは大切ですね」と署名に応じる男性や、「こんな取り組みがされているのは知らなかった」と戻ってきて署名をした看護師の姿もありました。
また、外国人観光客が、横断幕の文字を携帯電話の翻訳機能で読み取り笑顔で激励するなど、内容が伝われば共感も広がることが実感できる宣伝行動でした。