「モンゴルの騎馬戦」などを鑑賞する来場者ら

2月4日まで三浦さんの個展開催

 JR花園駅南東の太秦安井地域(京都市右京区)に、民家を改修した貸しギャラリーが今月、オープンしました。洋画家の三浦利江子さん(93)が、プロデュースする「ちいさなギャラリー三浦」。オープン記念として、三浦さんの個展を開催中です(2月4日まで)。

 三浦さんは、須田國太郎、全和凰に師事し、京都の画家らが中心に立ち上げた国際交流の美術団体「国際美術創造会(国創会)」(2019年解散)のメンバーでした。

 昨春、くも膜下出血で倒れ、半年間の治療・入院を経験しました。「絵に関する話題が母の回復の支えになった」と話す、娘の松岡れい子さんが、ギャラリーの構想を後押し。三浦さんは、昨年で画業に区切りをつけていましたが、残る人生を画家として楽しみ、作品の喜びや楽しみを共有できる空間を提供したいとの思いを強めて、実現しました。

三浦さん(右から3人目)を囲む松岡さん(右端)や画家仲間ら

 今作品展は、画歴63年を振り返り、肖像画や静物など、約30点を選定。国創展の第30回記念大賞(16年)に選ばれた「モンゴルの騎馬戦」のカバー作品(F30号)は、退院後に挑戦した新作です。

 三浦さんの作品の中には、01年に東京のJR新大久保駅で、線路に落ちた日本人を助けようとして命を落とした韓国人留学生の李秀賢(イスヒョン)さんに追悼の意を込め、両親に贈った秀賢さんの肖像画もあります。

 手に震えが生じ、思うように描けなくなったと悲観する三浦さんですが、「みんなのおかげで生かされた命だと感謝しています。ギャラリーの空間が何かの役に立てば」と話しています。

 ギャラリーは木造2階建(京都市右京区太秦安井北御所町5─47)。2階部分(約13畳)が展示場、1階にキッチンがあります。1日~週間単位で利用(有料)できます。

 問い合わせ☎090・8083・0369(松岡さん)。✉youmyme369@gmail.com